大学時代、友人グループで夜中に廃村探検をするのが流行っていた。
中でも特に記憶に残っているのは、山奥の古い村に残された小さな石碑。
石碑にはこう彫られていた。
「暗夜の礫 これを越えてはならぬ」
夜の闇に包まれた静かな村の中で、その石碑の向こうには、崩れかけた家が並ぶ道が続いていた。
好奇心に勝てず、俺たちは石碑を越えて進んだ。
そこで俺は――やってはいけない“しでかしたこと”をした。
村の入り口に積み上げられた小石の山を、ふざけて足で崩してしまったのだ。
目次
【暗夜の礫】
その晩から、俺の周りで不可解なことが起こり始めた。
深夜、寝室の窓の外から「カツン、カツン」と石が投げられる音がする。
窓を開けても誰もいない。朝になると庭に、小石が一つだけ転がっている。
そんな夜が続き、とうとう――寝ている耳元にまで。
「カツン。」
まるで、頭上に石が投げ落とされたかのような音。
目を開けると、枕元に小石が置かれていた。
【しでかした代償】
怖くなって、あの石碑の前まで行って謝ろうとした。
しかし、石碑の足元には新たな小石の山が積み直されていた。
その石の中に、見覚えのあるものがあった。
俺がふざけてポケットに入れたはずの石が、きちんと積み上げられていたのだ。
まるで、「ここへ戻せ」と言われたかのように。
石をそっと山の上に置き、手を合わせてから家へ帰った。
【暗夜は終わらない】
その夜、静かだった。石音もしない。これで終わったんだと思った。
だが翌朝、玄関を開けると、扉の前には――
新しい小石の山が積まれていた。
「しでかしたこと」は、石を戻すだけでは済まされなかったらしい。
今も夜になると、「カツン、カツン」と、暗闇から石が投げられる音がしている。
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