目次
軽い悪戯のつもりだった
大学時代、俺と友人の斉藤は、好奇心から廃寺の仏像を悪戯半分で動かすという、
いま考えればとんでもないことをしでかした。
「こんなとこ誰も来ないだろ」
笑いながら仏像の向きを変えたり、頭に缶を乗せたりして、記念に写真まで撮って帰った。
それから、変なことが始まった。
始まる怪異
夜になると、家の壁をコツコツ叩く音が鳴る。
窓の外には誰もいない。
次の日、斉藤から電話があった。
「なあ……昨日から、部屋に誰かいるんだよ。」
ベッドの下や押入れを探しても何も見つからず、でも、夜になると耳元で呼吸音がするという。
そしてついに、斉藤の部屋の壁には「カエセ」と指で書かれた跡が浮かんだ。
怨霊退散の祈祷
恐ろしくなって地元の古い神社へ行き、神主に事の経緯をすべて話した。
神主は重い顔でうなずき、淡々とこう言った。
「君たちがしでかしたことは……そこに眠る怨霊を起こしてしまったんだ。」
急ぎ怨霊退散の祈祷が行われ、持ち帰った写真も供養された。
その瞬間から、あの音も呼吸もパタリと消えた。
本当の後悔
ようやく日常が戻ったと安心していたある日。
供養を終えた写真の束を神主が見せてくれた。
そこには、俺と斉藤の背後に知らない男の顔がはっきり写っていた。
怨霊退散の祈祷は確かに終わったはずだったが、神主が言った最後の言葉が忘れられない。
「…これで"帰ってくれた"と、いいんだがね。」
その夜、また壁をコツ、コツと叩く音が聞こえた。
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