目次
■1. 不思議な雑音
社会人1年目、念願の一人暮らしを始めたばかりの頃の話だ。
引っ越した部屋は、新築マンション。部屋も静かで、隣や上の階の音も気にならない快適な環境。
けれど、住み始めて数日たった頃から、夜になると必ず「ザー…ザー…」という雑音が聞こえてくるようになった。
最初はエアコンの室外機の音かと思い、スイッチを切ったが音は止まない。耳を澄ませば澄ますほど、どこから聞こえてくるのか分からない。
そしてその雑音の中に──確かに、人の声が混じっていた。
■2. 雑音に紛れた「声」
深夜2時ごろ、雑音ははっきりとした言葉のような音に変わった。
『……こっち……こっちだよ……』
はっきりとした女の声。
慌ててテレビもパソコンも電源を切ったが、音は部屋中に響いていた。
「誰だ……?」
携帯の録音アプリを起動し、音の正体を確かめようとした。録音された音を翌朝再生してみると、確かに自分の部屋の雑音が入っていた。
しかし、問題はその後だった。
『こっちだよ。もうすぐ会える。』
はっきりと録音された、聞き覚えのない女の声。
■3. 雑音の発信源
気味が悪くなり、管理会社に相談した。
「おかしいですね……実はその部屋、少し前まで長く空室だったんですよ。以前の住人は、引っ越したという話ですが……。」
その日、何気なくネットでその住所を検索してみた。
すると、数年前にその部屋で女性が孤独死していた記事が出てきた。発見されたのは、夏の終わり、誰にも気づかれず、数週間経った状態だったという。
孤独の中、誰にも助けを求められなかったその人の声が、今も雑音に紛れて残っているのかもしれない。
■4. それ以降
録音した音声を消した後も、雑音は夜になると必ず聞こえてきた。
そしてある日、ふと目を覚ますと、耳元でこんな声がはっきりと聞こえた。
『やっと、見つけた』
以来、雑音はもう聞こえなくなった。
その代わり、今は毎晩“生身の声”が耳元で囁いている。
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