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【ミノムシの家の正体】 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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ミノムシとは

ミノムシとは、蛾の幼虫が自分の体を守るために木の葉や枝、繭(まゆ)をまとって作った“蓑(みの)”を着た状態の虫のことです。

枝先や壁にぶら下がり、じっと動かず、擬態して敵から身を守る習性があります。

自然の中にひっそりと溶け込むミノムシですが、今回の話を聞いたら、あなたも次に見つけた時、ちょっと違った目で見てしまうかもしれません。

奇妙なミノムシ

小学生の頃、夏休みの自由研究で「ミノムシ観察」をすることになった。

近所の神社の境内で、小さなミノムシを数匹見つけて持ち帰り、庭の木にくくりつけて毎日観察する日々。

ところが、ある日1匹だけ、妙に大きく成長しているミノムシがいた。

普通のものの2倍ほどの長さで、蓑の表面には細かい布切れや髪の毛のようなものまで絡みついていた。

「こんな材料、いつ拾ったんだ?」と不思議に思いながらも、そのミノムシはひときわ立派に見えた。

夜の音

その晩、ベッドに入ってから妙な音に気付いた。

カサッ……カサ……。

庭の方から、何かが這いずるような音。

窓をそっと開けると、あの大きなミノムシがぶら下がっていたはずの枝が空っぽになっていた。

蓑だけが枝に残され、中身は消えていた。

「脱皮でもしたのか?」

そう思いながら、蓑を指でつまんだ瞬間、中から小さな人間の目玉のようなものが転がり落ちた。

ミノムシの家

慌てて翌日、神社の境内に戻って調べると、あのミノムシを採取した木の根元に、小さな石碑が埋もれているのを見つけた。

苔まみれの石碑には、薄くこう彫られていた。

「この木の下には、子供を眠らせています。」

どうやら昔、神社で子供が事故で亡くなり、その子が埋められたという話が地元に残っていた。

俺が拾ったミノムシは、その子供の眠る木の近くにぶら下がっていたものだった。

あの音は今も

あれ以来、庭にはミノムシがいなくなった。

ただ、雨が降る静かな夜になると、部屋の壁のどこからかカサッ……カサッ……と、あの時の音が聞こえることがある。

まるで今も、小さな何かが新しい「蓑」を探しているように。

あなたの家の軒下にぶら下がっているミノムシも、もしかすると——虫ではないかもしれません。



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