目次
【雨宿りの地下道】
ある梅雨の夜。
仕事帰りに急な大雨に降られた川村翔太(かわむらしょうた)は、最寄り駅手前の歩行者用地下道に駆け込んだ。
その地下道は、古びていて照明も暗く、壁にはうっすらと水滴がにじみ出ている。
翔太は雨が止むまでスマホをいじりながら時間を潰していた。
すると、パタ……パタ……パタ……
地下道の奥から、誰かがこちらに歩いてくる音がした。
【すれ違った人物】
視線を上げると、濡れたスーツ姿の男がゆっくりと近づいてきた。
顔はうつむき加減で、足元を見ながら歩いている。
すれ違いざまにふと気になって振り返ると——
男は自分と全く同じ服装とカバンをしていた。
(似たような格好のサラリーマンか?)
そう思い直して地下道の出口に向かって歩き始めたが……。
また足音が後ろから近づいてきた。
さっきすれ違ったはずの男が、また後ろから近づいてくる。
【ループする地下道】
驚いて早歩きするが、出口までの距離が縮まらない。
進んでも進んでも同じ場所にいるような感覚。
後ろを振り返ると、男はすでにすぐ後ろに立っていた。
その顔は——自分自身の顔だった。
男はゆっくりとこう呟いた。
「次は君の番だよ。」
その瞬間、翔太の視界は真っ暗になった。
【翌日のニュース】
翌朝、同僚が見せてきたスマホのニュース記事。
『昨夜、○○駅近くの歩行者用地下道で、会社員・川村翔太さん(27)が倒れているのが発見され、死亡が確認されました。』
画面には、自分の顔写真。
けれど翔太は、その記事をスマホで見つめていた。
そして、ふと目を上げると目の前には、昨夜の地下道が再び広がっていた。
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