目次
古い地下道
通勤途中にある、駅前の古びた地下道。
昼間は人通りが多いが、夜になると人気がなくなる。
その地下道には昔から奇妙な噂があった。
「終電後、誰もいないはずの地下道を通ると足音が聞こえる。」
「誰もいないのに、真後ろで名前を呼ばれる。」
ただの都市伝説だろうと思っていた。
——その夜までは。
足音の数
終電を逃し、仕方なく地下道を歩いて帰ることになった。
真夜中、足音だけがコツコツと響く。
ふと、耳を澄ますと、自分の足音のリズムとは違うもう一つの音が混ざっていることに気づく。
コツ、コツ、コツ、……コツン。
自分が止まっても、その音は1回だけ遅れて響いた。
振り返ると、誰もいない。
地下道の奥
足早に歩くと、前方の照明が一つ切れていた。
そこを通り過ぎようとした瞬間、耳元でかすれた声が囁く。
「……ここにいるよ。」
心臓が跳ね上がり、一目散に地下道を駆け抜けた。
ようやく出口の階段が見えたとき、足元のタイルに目が留まった。
雨も降ってないのに、誰かの濡れた足跡が、地下道の奥へ向かって続いていた。
忘れられた事故
後日、地元の図書館で昔の記事を調べてみると、この地下道で10年以上前に水没事故が起きたことが分かった。
取り残された数名が行方不明のまま、地下道の排水が完了したという。
今も見つかっていない遺体が、地下道のどこかに眠っているのかもしれない。
いや、眠っているだけならいい。
今も、自分を探して歩いているのかもしれない。
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