目次
【疲れからの幻覚?】
広告代理店で働く斉藤(さいとう)は、繁忙期の激務が続き、連日終電帰り。
その日も、深夜2時を過ぎたオフィスで一人残業をしていた。
モニターをじっと見つめていると、視界の端に何かがふっと動く影が見えた。
振り向いても誰もいない。
(ああ、さすがに寝不足で幻覚でも見えたか……)
そう思い、コーヒーを入れに給湯室へ向かった。
しかし、廊下を歩く自分の背後に足音がはっきりとついてきた。
【同僚は見えていない】
翌日、出社すると、デスクの隣の同僚佐伯が心配そうに声をかけてきた。
「昨日さ、夜中の監視カメラ確認してたんだけど、残業してたろ?」
「うん、まぁね。」
「一人でいるはずなのに……誰かの肩が君の横に映ってたんだよ。」
斉藤は背筋が凍った。
幻覚のはずが、映像にも残っている。
【増える気配】
その日以降、幻覚の頻度は増していった。
・人影が一瞬横切る。
・会議室のガラス越しに知らない顔が映る。
・夜道でふと電柱の影が増えている。
さすがに精神的に限界を感じ、病院で検査を受けると、医師は「異常なし」と告げた。
「おそらくストレス性の幻覚ですね。」
医師は軽く言ったが、斉藤は確信していた。
あれは幻覚ではない。確実に"何か"がいる。
【幻覚と現実の境目】
そしてある日、決定的な出来事が起こった。
帰宅途中、駅のホームで電車を待っていると、向かいのホームに亡くなった祖母の姿があった。
白いワンピースのまま、こちらをじっと見ていた。
思わずスマホを取り出し、カメラを向けた。
撮った写真には、確かに祖母が立っていた。
しかし、その写真を見た瞬間、画面の中の祖母が笑った。
「やっと気付いたね。これ、全部幻覚じゃないよ。」
【幻覚のその先】
翌朝。
スマホを確認すると、昨夜撮った写真は1枚も保存されていなかった。
代わりに、カメラロールの写真が全て同じものを写した一枚の画像に変わっていた。
そこには、こちらをじっと見つめる誰かの目元だけが写っていた。
そして今日も、斉藤の視界には視線を送ってくる誰かがいる。
これが幻覚なのか現実なのか、もう自分でも分からない。
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