これは、私が20代前半、初めて一人暮らしをしたときの本当にあった話です。
当時、大学を卒業してすぐ、地方都市に就職が決まり、駅から徒歩10分ほどのマンションに住み始めました。
家賃が相場よりかなり安かったことだけが、少し気になっていました。
目次
【1. 部屋番号が“ぶきみ”だった】
私の部屋は「203号室」。
特に珍しい番号ではないのですが、内見の時からなぜか違和感がありました。
エレベーターの横のプレートにだけ、203号室の“0”だけが他と違うフォントで書かれていたんです。
しかも、よく見ると“0”の中に、何かが彫られているように見える。
最初は見間違いかと思っていたのですが、何度見ても、数字の「0」の内側に、細く「目」のような模様が浮かんでいました。
【2. ぶきみな気配】
住み始めて1ヶ月が経った頃から、妙なことが起こり始めました。
夜になると、部屋のどこかからカリ……カリ……という音がするんです。
ネズミか何かかと思い、業者に調べてもらっても異常なし。
でも毎晩、決まって深夜2時になると、その音が壁の一点から聞こえてくる。
指でその壁を叩いてみると——「コツン」
そこだけ、空洞のように響きが違った。
【3. 管理人の一言】
たまたま共有部で会った管理人に、「夜、壁から音がするんです」と話すと、彼は一瞬黙ってからこう言いました。
「……ああ、203ですか。そこ、前に住んでた方も同じこと言ってましたね」
さらに管理人はこう付け加えました。
「その“0”、外しちゃダメですよ。あれ、封じてるものなんで」
ぞっとしました。まさか、番号の数字に何か意味があるとは思っていなかった。
【4. 壁の中】
怖くなって、壁の音がする場所をよく調べたくなりました。
ある日、意を決して壁紙を少しだけ剥がしてみたんです。
中から出てきたのは、小さな紙の札。
そこには、手書きでこう書かれていました。
「この部屋に入るな。ぶきみな者が住んでいる」
札を元に戻し、壁紙をそっと貼り直しました。
それ以降、壁の音は徐々に消えていきました。
まるで、札に気づいたことを“あちら”が察したかのように。
今は別の場所で暮らしていますが、あの部屋の「0」が今も何かを封じているのだとすれば……
きっと、封が切れた瞬間から本当の“ぶきみ”が始まるのだと思います。
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