目次
見つけたのは通学路のわき道
中学2年の冬、雪がちらつく朝のことでした。
学校へ向かう途中、いつもは通らないわき道にふと目がいった。
そこに、風で舞ったように白く小さな紙が落ちていたんです。
何気なく拾い上げると、文字が手書きでこう書かれていました。
「一つだけ、願い事を叶えてあげる。ただし、代わりに“何か”を失う。」
冗談だと思い、ポケットに入れて学校へ行きました。
冗談半分で書いた願い
昼休み、親友のリョウとふざけながら、その紙のことを話しました。
「オカルト好きなお前、試してみたら?」
冗談半分で、リョウが俺に言いました。
その夜、自分の部屋で、半信半疑ながら紙にボールペンで願いを書いたんです。
「成績が上がって、次のテストで学年トップになりたい」
書き終えた瞬間、紙はスーッとしわが寄り、自然に燃えるように灰になった。
火なんてつけてないのに。
願いは現実に
それからの1週間、なぜかすべての授業が理解でき、覚えたことは完璧に頭に入る。
テスト本番も、自分でも驚くほどスラスラと解けた。
そして、結果は——学年1位。
信じられなかった。
まさか、本当に願いが叶うとは。
代償の始まり
けれど、その直後からおかしなことが起き始めた。
まず、リョウが風邪を引いて学校を休んだ。
それから1週間、2週間経っても戻ってこない。
連絡もつかず、家も留守だった。
先生も「家庭の事情で休んでいる」と言うばかり。
そして、学年発表の掲示板の下に——何か貼ってあるのに気づいた。
黒い紙に、白い文字で一行。
「君の代償は“友情”。」
願いはまた、誰かに
紙を拾った場所に行ってみたが、わき道はなぜか柵で封鎖されていた。
誰に聞いても、「そんな道、最初からなかったよ」と言う。
リョウは、学校からも完全に存在を消されたかのように記録も削除されていた。
彼の机も椅子も、最初からなかったみたいに、別の生徒のものになっていた。
願いが叶っても、代償は必ず払わされる。
だから——
もしも、道端で「願い事が叶う紙」を拾っても、書いてはいけない。
それは、誰かの人生と引き換えにしか叶わないものだから。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】

ロリポップ!

ムームーサーバー

新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp


![]() | 新品価格 |

![]() |

![]() | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |

