目次
■1. 引っ越し当初の安心感
社会人になって初めての一人暮らし。
都内近郊の築浅マンションの3階、南向きのベランダ付きワンルーム。
駅からも近く、事故物件ではないこともちゃんと確認済み。
周辺環境も静かで、初めは「ここにして良かった」と心から思っていた。
でも、住み始めて1ヶ月ほど経った頃から、ある違和感に気づき始めた。
■2. ありえない足音
夜になると、たびたびベランダ側から足音が聞こえるようになった。
トン……トン……という軽い音。まるでスリッパで歩いているような気配。
最初は「隣の部屋の住人だろう」と思っていた。
けれど、うちのベランダと隣とは壁で完全に仕切られている。
さらにおかしいのは、音がうちのベランダの“上から”降りてくるように聞こえることだった。
でも、3階の上はもう屋上。共用スペースにはなっておらず、住人は出入りできない。
(風か、猫か……)
そう思おうとした。だが、音の感じはどう考えても人間の足音だった。
■3. 誰もいない夜
ある晩、思い切って音が聞こえた瞬間にベランダのカーテンを開けた。
もちろん、誰もいない。
でも、ベランダの物干し竿が揺れていた。
それだけじゃない。手すりの上には、うっすらと濡れた手形のような痕があった。
(まさか……)
怖くなって警察にも相談したが、「不法侵入の形跡はない」と言われた。
マンションの管理会社も「屋上には鍵がかかっていて、誰も入れないはず」とのこと。
それでも、足音は週に1~2度の頻度で続いた。
■4. 朝方に見た“影”
ある朝4時、トイレに起きてふとベランダに目をやった瞬間、
何かがすーっと通り過ぎた。
黒っぽい影。人の形のようで、人でないような。
慌ててカーテンを開けると、やはり誰もいなかった。
でも、窓ガラスにはうっすらと手の跡が残っていた。
3階に、不審者が登ってくるわけがない。
この部屋は心理的瑕疵のない、普通の物件だ。
だけど、何か“普通ではないもの”がベランダに出入りしているような気がしてならなかった。
■5. 今も時々
引っ越してから数年経つが、あの部屋のことは今でも時々夢に出てくる。
夢の中で、3階のベランダのカーテンを開けると、誰かがこちらを見ている。
そして、目が合った瞬間、その“何か”が窓をコンコンと叩く。
現実なのか夢なのか。
でも、あれだけは確かにリアルだった。
あの音、あの気配は、この世のものではなかったとしか思えない。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】

ロリポップ!

ムームーサーバー

新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp


![]() | 新品価格 |

![]() |

![]() | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |

