目次
【忘れられない夏の日】
あれは、大学2年の夏休み、地元に帰省していたときの話だ。
夜、友達数人と飲んだ帰り、駅から自転車で家まで帰る途中だった。
街灯も少なく、田んぼ道をひたすらまっすぐ進む道。
その途中、ふと視界の隅に何か黄色いものが揺れているのが見えた。
道端のガードレールに、黄色いリボンが結ばれていた。
【妙な違和感】
最初は、誰かが忘れていったのか、風に飛ばされたのか、くらいにしか思わなかった。
だが、しばらく自転車をこいでいると、また同じように黄色いリボンが見えた。
しかも今度は、電柱に結びつけられていた。
(さっきもリボン見たよな?)
妙な違和感を覚えながらも、そのまま進んだ。
そして家の手前、曲がり角に差し掛かったとき——
ガードレールに結びついたリボンの隣に、誰かが立っていた。
【見覚えのない少女】
街灯の明かりの下、立っていたのは、
黄色いリボンを髪に結んだ小さな女の子。
顔はうつむいていて見えない。
真夏なのに、長袖の白いワンピースを着ている。
(遅い時間にこんなところに子ども?)
心配になって声をかけようとしたが、
なぜか喉がカラカラに渇き、言葉が出なかった。
そのまま、俺は自転車を必死で漕いで、家まで帰った。
【玄関先で】
家に着き、玄関のドアを閉めた瞬間、背後からかすかな鈴の音が聞こえた。
ゾクリとして振り返ったが、当然そこには誰もいない。
ふと足元を見ると、黄色いリボンがドアノブに結ばれていた。
あの道で見たものと、全く同じリボン。
慌てて父に事情を話すと、父は真剣な顔でこう言った。
「お前、あの田んぼ道通ったのか?
……昔な、あそこで事故にあった子どもがいてな。
見た人の家には、必ず黄色いリボンが結びつけられるって噂があるんだよ。」
【リボンは、いつの間にか】
翌朝、玄関を確認すると、リボンは消えていた。
けれど、今でも夏になると、
夜の田んぼ道を通るとき、必ず視界の隅で黄色いものが揺れている気がする。
そして、あの鈴の音も——。
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