目次
バイト先は、夜の図書館
大学1年の春休み、少しでもお金を稼ごうと夜間整理のバイトを始めた。
場所は、街のはずれにある市立図書館。
昼間は賑やかだが、夜になると人影もまばら。
閉館後、利用者がいない静かな館内で本を整理するだけの簡単な仕事。
最初は、こんなに楽なバイトはないと思っていた。
あの日までは。
奇妙な指示
仕事初日、担当の司書から言われた。
「地下書庫には入らないでください。」
理由は教えてもらえなかったが、規則だと言われれば従うしかない。
けれど、何度か仕事をしているうちに、閉館後、誰もいないはずの地下から「カツ、カツ」という足音が聞こえることに気づいた。
開かずの本棚
ある夜、1階の奥にある古い本棚を整理していたとき、ふと棚の隙間に違和感を覚えた。
壁に見えていた部分、実は隠し扉になっていた。
試しに押してみると、少しだけギィ…と開く。
隙間から地下へ続く細い階段が見えた。
好奇心が勝ってしまい、俺はそっと中へ入った。
地下の謎
地下はひんやりと湿っていた。
薄暗い明かりの中、古びた本が無造作に積まれている。
その中央に、一冊だけ異様に新しい本が置かれていた。
背表紙には何も書かれていない。
恐る恐る開くと、中はすべて真っ黒なページだった。
ただ、ページをめくるたびに、耳元で誰かの囁き声が聞こえる。
「……みつけた……」
一気に寒気が走り、その場を逃げ出した。
逃げても遅かった
地上に戻ると、司書が待っていた。
何も言わず、ただ静かに首を振った。
「入ってしまったんですね……」
それ以降、夜になると必ず耳元でページをめくる音が聞こえるようになった。
目を閉じると、暗闇の中で誰かがすぐ後ろに立っている気配がする。
あの本を開いた者は——
二度と普通には戻れないらしい。
今も、夜になるとページをめくる音が、どこからともなく聞こえてくる。
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