目次
■1. 入院時に起こったこと
これは数年前、私が軽い事故で入院していたときの体験です。
市内の総合病院で、3人部屋。
大きな怪我ではなかったため、気楽に過ごしていました。
病院での生活にも慣れてきた3日目の夜。
トイレに起きてベッドに戻ろうとしたとき、隣のカーテン越しに赤いリストバンドがチラリと見えたんです。
「あれ、青じゃなかったっけ?」
その病院では、患者ごとに色分けされたリストバンドを付けられていて、
私のような軽症は「青」、手術や集中管理が必要な患者は「黄色」、
そして、赤いリストバンドは“特別な扱いが必要な患者”につけられるものだと看護師から聞いていました。
■2. 部屋にいないはずの人
次の朝、何気なく隣の患者に「昨夜、誰か来てました?」と聞くと、
「え?ずっと寝てたけど、誰も来てないよ」と。
看護師にも聞いたけど、「深夜は巡回していないし、他の人も入っていないはず」とのこと。
(じゃあ、あのリストバンドをしていた腕は……?)
考えれば考えるほど気味が悪くなった。
■3. 赤いバンドの意味
その夜もまた、ふと目を覚ますと、今度は自分のカーテンの向こう側に“人の気配”があった。
静かに覗いてみると、廊下側からそっと覗いている病衣のような影。
その“手首”には、はっきりと赤いリストバンドが巻かれていた。
「誰かいますか?」と声をかけた瞬間、その影はスーッと消えていった。
翌朝、担当の看護師がぽつりと話してくれた。
「実は……以前この病棟で、赤いリストバンドをつけたまま亡くなった患者さんがいてね。
たまに、その人が“まだ診てもらっていない”って現れることがあるんです。」
■4. 転院で終わった“何か”
その話を聞いて、すぐに退院を申し出た。
幸い、リハビリ病棟に移動できることになり、それ以来、赤いリストバンドの影を見ることはなくなった。
けれど今でも、病院に行くとあの夜のことを思い出してしまう。
誰かの「治療の続きを求める執念」が、今もあの病室に残っているのかもしれない。
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