目次
【格安の一戸建て】
2年前の春、私は転勤先で一人暮らしを始めることになり、不動産会社の紹介で見つけた築年数の古い一戸建てを借りました。
家賃が周囲の物件より格段に安く、2階建ての割に広々としていたので即決。
「少し古いけど、補修はしてあります」と言われたのも安心材料でした。
入居初日、引っ越し作業を終えてから、ふと2階に上がろうとして足を止めました。
階段の前に立つと、胸の奥が急に重くなるような違和感が走ったのです。
【どうしても上がれない】
理由はないのに、どうしても階段を一段目から上がれない。
体が拒否しているような感覚でした。
変だと思いつつ、その日は疲れもあって「まぁ、明日でいいや」と1階の寝室で寝ることにしました。
翌日も、荷ほどきを済ませてから階段を見上げました。
やはり、上がろうとすると妙な圧迫感と吐き気がする。
スマホのライトを照らしてみると、階段の途中の壁にうっすらと何かがこすれたような黒い線が残っていました。
【不動産屋の曖昧な説明】
不審に思って不動産屋に確認してみると、担当者は少し困ったような笑みを浮かべながら言いました。
「前の入居者の方も、2階は使わずに生活されてましたね。
念のため業者は入れて掃除はしてますが……」
決して「問題があった」とは言わないものの、何かを隠しているのは明らかでした。
【一歩だけ、踏み出した】
数日後、深夜。
テレビの音が聞こえづらくなり、妙な耳鳴りが始まりました。
ふと見ると、階段の上の方に人の足のような影が見えました。
思わずスマホで撮影したものの、画面には階段の中段に“ぼんやりとした黒い人影”が映っていました。
意を決して、その夜、階段を一段だけ上ってみたんです。
すると、急に空気が冷たくなり、背中に何かが這うような感触が走った。
慌てて1階に戻り、その日を境に金縛りと悪夢が連続するようになりました。
【それでも“上がらなかった理由”】
最終的に、私は契約を途中で切って、引っ越しました。
部屋を出る日の朝、最後に階段を見上げると、2階の天井にうっすらと“爪のような跡”が並んでいた。
その跡は、明らかに下に引きずるような形になっていて、何かが階段の上から降りてこようとしていたように見えました。
私は最後まで、2階に“上がれませんでした”。
でも今思えば——
「上がらなかった」のではなく、
「あれは、上がらせなかった」のかもしれません。
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