——実体験を元にした戦慄の夜の記録
目次
■ はじまりは林間学校だった
これは、私が小学6年の夏に体験した出来事です。場所は長野県のとある山奥の宿泊施設。
学年全員で行く2泊3日の林間学校で、自然体験やキャンプファイヤーがメインの行事でした。
問題が起きたのは、2日目の夜でした。
■ 消えた友達
夜9時ごろ、女子の一人・ミユキが「トイレに行ってくる」と言って部屋を出ました。
10分経っても戻らず、担任の先生が見に行ったのですが、トイレにも、廊下にもいない。
「悪ふざけだろう」と笑う子もいたけど、ミユキの親友だったユイは、半泣きになっていました。
■ 真夜中の見回り
先生たちは職員室に集まり、私たち子どもは消灯命令。
しかし私は不安で眠れず、こっそり起きて窓の外を眺めていました。
すると、グラウンドを誰かが歩いているのが見えたんです。
それは——ミユキでした。
■ 見てはいけないもの
私はユイを起こして、二人でこっそり裏口から出て、グラウンドへ。
でも近づくと違和感に気づきました。
ミユキはうつむいたまま、ゆっくり同じ場所をぐるぐると歩いているのです。
そしてユイが「ミユキ！」と声をかけたその瞬間、彼女がこちらを振り向きました。
——でも、顔がない。
影のように、黒い何かが顔のあたりに蠢いていたのです。
■ 全部、翌朝に戻っていた
私とユイは悲鳴を上げて逃げ出しました。途中の記憶が曖昧で、気づくとベッドの上。
先生に話しても「夢だろう」で済まされました。
でも、朝の点呼で——ミユキが、何事もなかったかのように戻っていたのです。
そして私たちに向かって、こう言ったのです。
「…わたし、ずっと部屋にいたよ？」
ユイはその日から、林間学校の記憶を語りたがりません。
私は今でも、あの時のミユキの"顔のない姿"が夢に出てきます。
あれは本当に…誰だったのか。
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