目次
■1. 押し入れの奥の古い箱
これは、大学時代に一人暮らししていたアパートで実際に体験した話です。
引っ越してきたのは秋の終わり。
築年数はそれなりだけど、家賃も安く、駅からも近い。
不動産屋も「事故物件ではありません」とハッキリ言っていた。
ただ一つ、気になることがあった。
押し入れの一番奥、床板の下に四角いくぼみがあって、その中に何かが入っていたんです。
■2. 開けてはいけない「箱」
数日後、掃除中にそのくぼみを開けてみた。
出てきたのは、木の箱。手のひらより一回り大きくて、古びた和紙が巻かれていた。
紙には何か筆文字で書いてあったけど、達筆すぎて読めない。
封を切るような形で紙を外し、箱を開けようとした。
──その瞬間、玄関のチャイムが鳴った。
(タイミング良すぎじゃないか?)
出てみると、そこには誰もいなかった。
ただ、足元に置かれていた白い封筒の中には、一枚の紙切れが入っていた。
「それは開けるな」
■3. 中身と異変
怖くなって一旦箱を戻したが、どうしても気になってしまい、
翌日の夜、ついに中を開けた。
中には、黒く濁った小瓶が一つと、ボロボロの白い布。
開けた瞬間、急に室内の空気が重くなった。
電気の光が一瞬だけ揺れ、耳鳴りのような音が続いた。
その夜から、部屋で変な現象が起こり始めた。
深夜2時になると、決まって押し入れがミシミシと軋む音。
誰もいないのに、浴室の床が濡れていたり、
寝ていると耳元で「返して」という声がするようになった。
■4. 神社での供養
限界を感じ、箱を持って地元の神社へ相談に行った。
事情を話すと、神主は表情を変えずに一言。
「本来なら、誰の手にも渡ってはいけないものです。」
正式な供養をお願いし、箱ごと預けることになった。
儀式の最中、小瓶の蓋が自ら外れたように開き、
境内の空気が一瞬だけ凍ったのを感じた。
神主は無言のまま、焚き上げを終えた。
■5. あれは、何だったのか
それからは部屋の異常も消え、平穏な生活が戻った。
ただ、あの箱の中にあった黒い小瓶の正体も、布の意味もわからないまま。
神主は言った。
「世の中には、中身を知らないままの方がいい箱もあるんですよ。」
今でも、何気なく引っ越し先の押し入れを開ける時、
あの箱がまた現れるんじゃないかと、心臓が少しだけ早く打つ。
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