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古道具屋で見つけた“あれ”
これは、私が大学時代に実際に体験した話です。
ある日、ふらっと立ち寄った神楽坂の古道具屋で、
木の棚の奥に奇妙な古いお面が置かれているのを見つけました。
能面のような造りで、白い肌に細く吊り上がった目、赤く笑う口元。
でも、どこか不自然な、「人間の顔を真似して失敗した」ような雰囲気を漂わせていた。
なぜか目が離せず、1,000円という値段に惹かれてつい購入してしまいました。
お面を飾った日から
お面はアパートの壁に掛けました。
部屋のインテリアとしては悪くなかったし、最初は特に何も起きなかった。
ただ、夜になると不思議とお面が少しだけ斜めに傾くのです。
朝直しても、夜にはまた同じ角度に。
そして3日目の夜、鏡越しにふとお面を見ると、
口元が、心なしか広がっているように見えました。
「……気のせいだよな」
そう自分に言い聞かせながら、電気を消して眠りにつきました。
笑っていたのは誰か
夜中、部屋の隅からカタ……カタ……という音で目が覚めました。
音の方に目を向けると、そこにはお面が——床に落ちて、正面を向いて立っていた。
「立っていた」としか言いようがない。確かに立っていたんです。
そのとき、鏡に目を向けてしまった。
鏡の中のお面が、はっきりと笑っていた。歯まで見えるほどに。
もう限界だと思い、電気をつけてすぐにお面を箱に入れ、布でぐるぐる巻きにして押し入れの奥へしまいました。
霊能者の一言
数日後、知人の紹介で都内の霊感のあるという女性に話を聞いてもらいました。
彼女は話の途中で、私の顔を見ながら、静かに言いました。
「それ……神楽坂の東にあった神社のものかもしれません。
昔、祭りで使われた神のお面が、戦後にいくつか流出してね。
“人の顔を欲しがる面”って、言われてたんです。」
「あのまま飾ってたら、顔、取られてたかもしれないわよ」
最後のひとつき
お面を押し入れにしまって以降、
確かに現象は起きなくなりました。
ただ、今でも夜中にふと鏡を見ると、
自分の顔が少しだけ“笑っている”気がする瞬間がある。
——まるで、あのお面がまだ“中から見ている”ように。
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