——ありふれたワンルームで起きた怪異
目次
■ 引っ越し先の異変
社会人になって初めて借りた部屋は、駅から徒歩7分のワンルームマンション。
築年数は古かったが家賃が安く、即決で契約した。
入居して最初に気になったのは、ベッドの横の壁にうっすらと浮いたシミ。
手のひらほどの大きさで、薄黒く、輪郭がぼんやりしている。
不動産屋に問い合わせたが、「前の住人の生活汚れでしょう」とのこと。
それ以上深く考えず、そのまま暮らし始めた。
■ 変化するシミ
最初の異変は1週間後。
朝起きると、シミの位置が少しズレていた。
寝ぼけていたかと思ったが、次の日もまた、数センチ違う場所にある。
それも徐々に、“ベッドに近づいてきている”ことに気づいた。
おかしいとは思ったが、誰かに話してもバカにされるだけだと黙っていた。
■ 壁から声がした夜
それから数日後、夜中3時ごろ。
寝ていると耳元でかすかに「……みて……」という声が聞こえた。
目を開けると、壁のシミがベッドのすぐ脇、顔の高さまで移動していた。
照明をつけて見直すと、そこに“人の顔のような形”が浮かんでいた。
目、鼻、口のような輪郭が確かにあった。
■ 消そうとしてはいけなかった
翌朝、意を決して漂白剤でシミをこすった。
何度も何度も拭いて、やっと消えたように見えた。
けれどその夜、部屋の中に水が滴る音がし始めた。
天井からでも、水道でもない。
音の出所をたどっていくと、消したはずの壁の一点から、黒い液体が垂れていた。
そしてその液体が、床に“人の手の形”のようなシミを作っていく。
■ 真相を知った日
我慢の限界で、再び不動産屋に連絡し、過去の入居者について聞いた。
担当者が渋々教えてくれたのは、数年前にこの部屋で孤独死があったという事実。
それも、「数ヶ月発見されずにいた」事故だった。
その場所は——まさにあのシミがあった壁だった。
■ あの部屋には戻れない
私はすぐに引っ越した。
けれど、新しい部屋の壁にも、なぜか薄いシミが浮かんでくることがある。
まるで「まだ見ているよ」とでも言いたげに。
もし、あなたの部屋の壁に、消えないシミがあるなら——
それは、そこにいた誰かの“名残”かもしれません。
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