目次
■1. 普通の夜のはずだった
あれは数年前、特に何も変わったことのないごく普通の夜でした。
平日、残業を終えて帰宅し、シャワーを浴びて、冷えたビールを一本。
窓際のソファに座って、スマホをいじりながらくつろいでいたとき、
ふと、目の前のカーテン越しに外が異様に明るいことに気づいたんです。
時計を見ると、もう深夜1時を過ぎていた。
こんな時間に、街灯でもない不自然な光が差してくることはまずありません。
気になってカーテンを開けた──
その瞬間、言葉にならない違和感が、体を支配しました。
■2. そこに広がっていたのは、この世界ではなかった
窓の外は、私がいつも見ている住宅街ではなかった。
まるで映画のセットのような、光が満ちた平原が広がっていたんです。
草の色は見たことのない濃い青緑色。
空には、ゆっくりと揺れるように光る紫色の雲。
遠くには、宙に浮かんだような建造物が見え、
それらの間を滑るように動く巨大な“何か”の影がありました。
すべてが、物理法則を無視しているように見えた。
そしてなによりも異様だったのは、
空に、太陽と月が同時に3つずつ浮かんでいたこと。
それらは完全に無音で、恐ろしいほどに静かだった。
■3. 戻ってきた現実
立ち尽くしていたのは、おそらく数十秒ほどだったと思います。
でも体感では、もっと長くそこに見入っていたような感覚でした。
「これは夢だ」と思いたくて、目をこすったり頬をつねったりした。
それでも景色は変わらなかった。
ただ──隣の部屋のドアがギィ……と開いた音がした瞬間、
一瞬だけ視界が揺れて、再び現れたのはいつもの住宅街の風景。
コンビニの光、遠くの交差点、暗い空。
すべてが、元通りだった。
■4. 誰にも信じてもらえない話
翌日、あの体験を人に話そうかとも思ったけれど、
「疲れていたんだろう」「寝ぼけていたんじゃないか」と言われるのが分かっていたのでやめました。
それからというもの、窓を開けるたびに、ほんの一瞬だけ期待と恐怖がよぎるんです。
もう一度、あの風景が見えてしまったら。
次は“見る”だけでは済まないかもしれないという気がして。
あれが何だったのか、今でも分かりません。
ただ一つ言えるのは──確かにあの夜、異世界の風景を見たということです。
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