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きっかけは「簡単そうなバイト」
これは、大学を休学していた頃に、実際に体験した話です。
地元に戻っていた僕は、しばらく生活費を稼がないといけなくなり、求人サイトで見つけたのが「監視小屋の夜勤バイト」でした。
山の中にあるリゾート開発予定地で、不審者や動物の侵入をチェックするだけという内容。
しかも1日1万円+住み込みOK。
「これは楽そうだな」と、すぐに応募。
面接も形ばかりで、数日後には現地入りが決まりました。
監視小屋での生活
場所は、山梨の外れにある林道の奥でした。
監視小屋といってもプレハブ小屋で、コンテナを改造したような造り。
電気と水道は通っていましたが、電波はまったく入らず、ネットもなし。
仕事内容は、夜8時から翌朝6時まで、
小屋にある3台のモニターで現場周囲のカメラ映像を確認するだけ。
「これはマジで楽勝かも」と思っていたんですが……
2日目の夜から、妙なことが起こり始めたんです。
映ってはいけないもの
午前2時過ぎ、3号カメラ(小屋の裏手に設置)に、人影のようなものが映ったんです。
白っぽい服を着た人が、背を向けて木の前に立っている。
動かない。ライトも反応しない。
「まさか不審者……?」
無線で管理会社に報告しようとしたが、無線が通じない。
その間も、人影はピクリとも動かない。
10分、20分、ずっと同じ体勢で木の前に立ち尽くしている。
その時、モニターのガラスに、自分の顔とは別の“逆さまの顔”が映り込んでいました。
驚いて振り返ると、誰もいない。
でも、窓の外には……“誰かの髪だけ”が揺れていた。
その小屋には“いた”
翌朝、交代に来た中年の男性スタッフに昨夜のことを話すと、
無言で、黙ってうなずかれただけでした。
「……夜、外に出ないように。
モニターに映るやつも、見ないでいい。
“監視するな”ってことだよ、あそこは。」
意味が分からず絶句していると、
その人は帰り際にこう言いました。
「その小屋、昔“事故”があってね。
山に入った作業員が全員、戻らなかったんだよ。
最後の映像が、木の前に立ってた“誰か”の後ろ姿だった。」
最後の夜
契約は1週間でしたが、5日目の夜で限界が来ました。
またあの白い人影が、同じ場所に現れたんです。
今度は、顔をこちらに向けていた。
表情は見えないのに、はっきりと「来るな」という感情だけが伝わってきました。
そして、ふとモニターの電源が全部落ち、
最後に一言、耳元で声がしたんです。
「見つけた。」
それ以降
僕はその夜のうちに荷物をまとめ、小屋を逃げ出しました。
管理会社には「体調不良」とだけ伝え、戻ることはありませんでした。
数週間後、ニュースで見ました。
その開発計画は、なぜか急に中止になったそうです。
理由は一切明かされていません。
でも今でも、夜になると、
あの監視小屋で聞いた「見つけた」という声が、ふと頭をよぎります。
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