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“道を教えて下さい”と声をかけられた夜──振り返ってはいけない 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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深夜の交差点で

あれは去年の秋、仕事で遅くなった帰り道のことでした。

いつもの通勤路ではなく、なんとなく気分転換に遠回りして、
駅から少し離れた旧道を歩いていました。
その道は古い住宅が立ち並び、夜になると人通りもほとんどありません。

夜11時を少し回った頃、
静かなT字路の手前で、背後から不意に声がしました。

「……すみません、道を教えて下さい」

女の声でした。
疲れていたので少しめんどうだなと思いつつ、「どこへ行きたいんですか?」と振り返ろうとした瞬間、
全身に鳥肌が立つような嫌な感覚に襲われました。

動けなくなる感覚

振り返ってはいけない——
なぜか、そう思いました。

それでも「どこまで行かれるんですか?」と声をかけると、返事がない。

背中には確実に“誰かがいる”気配がある。
でも、その場から逃げ出すこともできず、身体がこわばって動かない。

しばらくして、もう一度声がしました。

「……この先、行っても……帰れますか?」

その問いかけにゾッとしました。

靴音と息遣い

気づけば、後ろから足音が一歩近づいてくる音が。
そして、すぐ耳元で、呼吸のような音が聞こえてきました。

「すみません、分かりません」とだけ答え、
私は無理やり足を動かしてT字路を右に曲がって走り出しました。

走っている間、振り返る勇気はありませんでした。

消えた影

駅前の明るい通りまで出て、ようやく立ち止まり、
恐る恐る後ろを振り返りました。

……誰もいません。

ただ、あのT字路に戻る気にはなれず、
それ以来、絶対にあの道は通らないようにしています。

後日聞いた話

地元の不動産業をしている知人に何気なくその場所の話をしたところ、
彼は少し顔色を変えてこう言いました。

「あのT字路の先、昔から“道を聞かれても振り返るな”って言われてる。
昔、迷子になった女性が深夜にそこから消えたまま戻ってきてないんだ。
“帰れますか?”って……たぶん、まだ帰れてないんだろうな」

今も夜道を歩いていると、背後から「道を教えて下さい」と声が聞こえる気がします。

でも、もう絶対に振り返らない。

——あれは、道を聞いてるんじゃない。誰かを“連れて行こうとしている”んだと思います。



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