——夕暮れにしか現れない“もう一つの景色”の話
目次
■ あの日だけ、空の色が違った
あれは去年の秋、10月中旬の夕方だったと思います。
仕事帰りに地元の公園を通り抜けた時、ふと空を見上げて違和感に気づきました。
——空が、異様に濃いオレンジ色をしていたのです。
夕焼けとは違う、赤みも金色もない、ただ平坦な蛍光オレンジのような色。
その瞬間、周囲の音がすっと遠のいて、まるで世界に自分しかいないような感覚に襲われました。
■ 人の気配が消えた
公園には普段、犬の散歩やジョギングの人がいる時間帯でした。
でもその日は、誰もいなかった。
静かすぎて不安になりながらスマホを取り出そうとしたら、画面が真っ黒で何も映らない。
「圏外」とか電源切れではなく、“無”という感じでした。
怖くなって公園の出口に向かおうとした時、視界の隅に誰かが立っているのが見えました。
■ オレンジの空の下にいた“人”
小さな子どもでした。
こちらをじっと見つめていて、何か言おうとしている。
でも、よく見ると顔が逆さまだったんです。
目も口も鼻も正しい位置にあるのに、全体が上下反転しているような顔。
その子が、ゆっくり口を開いた。
「——ここにいない方がいいよ。」
次の瞬間、空がぱちんと音を立てるように“切り替わり”、気がつくと周囲は元の夕暮れに戻っていました。
スマホの時計を見ると、時間はたったの「5分」しか経っていなかった。
■ それ以来
それから数週間、何事もない日々が続いたと思っていました。
でも、ふとした瞬間に、空があの日と同じ色に見えることがあるんです。
その時、必ずどこかに逆さまの顔の子どもが立っている。
見ないふりをして通り過ぎるけど、時々、耳元で声がする。
「次は、間に合わないかもね」
——オレンジ色の空を、あなたも見かけたら注意してください。
そこは、私たちの“現実”とは少し違う場所かもしれません。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】

人気コミック絶賛発売中!【DMMブックス】

ロリポップ!

ムームーサーバー

新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp


![]() | 新品価格 |

![]() |

![]() | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |

