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本当に開いちゃったか|“開けてはいけない”と言われた扉の先で 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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大学時代、心霊現象や都市伝説を題材にしたサークルに所属していた私は、仲間内で「一番怖がらない奴」として知られていました。
そんな私が一度だけ、「あれは本当にまずかったかもしれない」と思った体験があります。
キーワードは、あの日誰かがぽつりと呟いた、「本当に開いちゃったか……」という言葉でした。

【1. 封鎖された部屋】

大学の旧校舎に、「絶対に入るな」と張り紙がされた小さな物置部屋がありました。
教務課も理由を語らず、ただ「老朽化していて危険」と言うだけ。
でも中を覗いたことのある先輩が、「そこ、何も入ってないのに空気がすごく冷たくて、変な匂いがした」と言っていました。

それを聞いた私たちサークルメンバーは、「どうせネタだろ」と夜に潜入することに。
軽い肝試しのつもりでした。

【2. 鍵がかかっているはずが…】

現地に着いたのは深夜0時。
ドアノブには南京錠がかかっていたはずなのに、その日はなぜか鍵が外れて床に落ちていました。

「マジで開いてるじゃん」
その時点で少し寒気がしましたが、もう引き返す雰囲気ではありませんでした。

ゆっくりとドアを開けると、埃っぽい空気とともに、冷気が一気に押し出されてきたんです。
小さな部屋には棚が1つと、奥にぽつんと置かれた古い木箱がありました。

【3. 箱を開けた瞬間】

一緒にいた先輩が、「開けてみるか」と言ってその木箱の蓋に手をかけました。
中からは特に何も出てきませんでした。
でも、蓋を開けた直後に、室内の空気がピタッと静止したように感じたんです。

そしてその直後、誰ともなく小声で言った言葉がはっきり聞こえました。

「……本当に開いちゃったか」

誰の声だったのか、今でもわかりません。
仲間の誰も、そんなことを言った覚えはないと口を揃えました。

【4. それから】

その夜を境に、サークルのメンバー数人が同じ夢を見たと言い始めました。

薄暗い廊下に立っていて、奥の闇の中から何かが“這う音”を立てて近づいてくる夢。
目覚めた瞬間、喉の奥が焦げたような感覚と、鼻の奥に土のような匂いが残るそうです。

私も、似た夢を数日間見続けました。
あの部屋の冷気、木箱の空虚な内部、そしてあの言葉。
それらが繰り返し夢の中で再生されました。

【5. ドアが再び封じられる】

1週間後、例の部屋は業者によって完全に封鎖されました。
ドアの前には新しい張り紙があり、そこにはこう書かれていました。

「立入厳禁 開扉後の異常報告あり」

誰が書いたのか、大学側は答えてくれませんでした。

今となっては、何が“開いた”のか、正確には分かりません。
でも確かに、あの夜、何かが静かに動き始めた。
そして誰かが、それを見て呟いたのです――

「本当に開いちゃったか……」



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