目次
はじまりは集合写真だった
これは、私が高校生のときに体験した話です。
文化祭の後、クラス全員で記念の集合写真を撮りました。
教室の黒板前に集まり、担任が三脚でカメラをセットし、セルフタイマーでパシャリ。
後日、出来上がった写真を見て、ある“異変”に気づいたのは私でした。
クラスメートの人数が、1人多い。
誰も気づいていないようだったけれど、どう見ても知らない顔の女子が最後列に写っていたのです。
顔はぼやけていて、髪が長く、制服もどこか古いデザイン。
でも、何より怖かったのは——その子が私の肩に手を乗せていたこと。
目が合った
写真をじっと見つめていたその日の夜、夢にその子が出てきました。
学校の廊下を歩いていると、突き当たりに立っている。
顔がはっきり見えない。けれど、“目が合った”と直感的に思った。
そして、その瞬間、彼女は口元だけでこう呟いたのです。
「見つけた……」
目が覚めたとき、背中に冷たい汗をかいていました。
仲間が増えていく
数日後、別のクラスの女子が「写真に知らない子が写ってる」と騒ぎ出しました。
見せてもらうと、やはり同じ子が、今度は別の男子の隣に立っていた。
最初は私だけだったはずが、徐々に“写り込む人数”が増えていったのです。
彼女は毎回、少しずつ違う位置に立ち、
どこかの誰かに触れていた。
そして、写真に写された人間の中には、体調を崩す者や、学校に来なくなる者が出始めた。
その子の正体
担任に相談したところ、表情を曇らせながらこんなことを言いました。
「昔、この教室で事故があった。
文化祭の準備中、脚立から落ちて亡くなった女子生徒がいた。
彼女の席が……ちょうど今の、君の席だ。」
背筋が凍りました。
集合写真で“その子”が最初に触れていたのは、私だったのです。
最後に届いた写真
学期末、卒業アルバムの仮デザインが配られました。
例の集合写真も載っていた。
確認すると、明らかに、彼女の姿がくっきりと写っている。
しかも、以前よりも表情がはっきりしていて、笑っていた。
ページをめくると、他の写真にも彼女がいる。
クラスの背後、廊下の奥、体育館の端。
そして裏表紙の集合写真には、その子の隣に立つように“もうひとり”見覚えのない顔が増えていた。
今も、まだ
その後、数人が卒業を前に転校や不登校になりました。
誰も彼も、「なんとなく変な夢を見る」と言っていた。
私は今も、ふとした時に鏡や写真の隅を確認してしまいます。
あの子の仲間が、またひとり……増えているかもしれないから。
■おすすめ
マンガ無料立ち読み
1冊115円のDMMコミックレンタル！
人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】
人気コミック絶賛発売中！【DMMブックス】
ロリポップ！
ムームーサーバー
新作続々追加！オーディオブック聴くなら - audiobook.jp
 | 新品価格 |
 |
 | ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ] 価格:1078円 |
