——それはただ奇妙なだけの存在ではなかった
目次
■ それは深夜2時の交差点だった
大学時代、深夜のコンビニでバイトをしていた時期がある。
バイトの帰り道、住宅街を抜けた先にあるT字の交差点で、必ず足を止める場所があった。
理由はわからない。特別な看板や施設があるわけでもないのに、そこだけ空気が違う気がした。
ある日、いつものように自転車でその交差点に差しかかった時、前方の街灯の下に黒い人影が見えた。
■ 黒い“人”が、踊っていた
それは全身が黒く塗りつぶされたような人型。
顔のパーツもなく、服の境目もわからない。
ただの黒い“塊”が、奇妙な動きで踊っていた。
手足を大きく広げ、くるくると不自然な角度で回りながら、跳ねるように交差点の中心を移動していた。
音もなく、リズムもない。
ただただ、“踊る”ことだけが目的のようだった。
■ 見てはいけなかった
私は立ち止まって、その踊る黒い人を見てしまった。
その瞬間、ピタリと動きが止まった。
黒い人は、こちらに向き直る。
顔はないのに、確かに“目が合った”感覚があった。
次の瞬間、まるで“ズン”と体を引っ張られるように、心臓が強く収縮した。
逃げなきゃ、と思った。
■ 背中に何かが乗っていた
自転車で猛スピードで家まで帰り、玄関を開けて靴を脱いだ瞬間、背中に重みを感じた。
振り返ると、誰もいない。
けれど、鏡に映った自分の背後に——
“黒い手”が一瞬だけ見えた。
それはすぐに消えたが、翌朝まで、背中だけが異常に冷たかった。
■ あれ以来
あの交差点には、誰も寄りつかない理由があると、あとで地元の人から聞いた。
昔、近くの公園で変死事件があったらしい。
「夜中に踊ってたって、目撃証言もあったらしいよ。でも記録には残ってないんだって」
それを聞いた時、寒気がした。
もし、あなたも夜道で“踊る黒い人”を見かけたら——
目を合わせず、立ち止まらず、決して音を立ててはいけません。
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