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あれは“見てはいけない時間”だったのかもしれない
これは、僕が高校時代に体験した実際の話です。
当時、地元の友達とよく夜中に散歩するのが習慣になっていて、ある夏休みの夜も、コンビニで買ったアイスを食べながら、近くの公園まで歩いていました。
時刻は午前1時半を回っていたと思います。
人の気配は全くなく、街灯の明かりがまばらに点在するだけの静かな夜でした。
ふと、友達が小声で言いました。
「なあ、あれ……何してんだ?」
視線の先には、公園の中央の広場に、黒い人影がひとり立っていました。
音もないのに踊っていた
その人影は、頭からつま先まで黒く、性別も年齢もわからない。
ただ、妙に滑らかな動きで“踊っていた”んです。
音楽は流れていない。
でも、その動きはまるで何かのリズムに乗っているようで、ぐにゃりと腕を曲げたり、回転したりしていました。
僕たちはしばらくその場で見ていたんですが、
友達が急に震える声でこう言いました。
「……あれ、さっきからこっち向いてるよな?」
確かに顔はずっと正面、つまり僕たちの方を見ながら踊っていた。
それに気づいた瞬間、全身に冷たいものが走りました。
振り向いたらいけなかった
怖くなって帰ろうとしたとき、僕の背後から何かがスッと通った気配がしました。
振り向いたら、もうひとりの“黒い人”がいたんです。
同じような黒いシルエットが、すぐそばのブランコでゆらゆら揺れていた。
僕と友達は、言葉も出せず、その場から走って逃げ出しました。
振り返らなかったのは本能だったと思います。
調べてわかったこと
後日、ネットで調べてみたところ、地元の掲示板に似た目撃情報が複数ありました。
「公園の広場に黒い人が踊っていた」
「午前2時にだけ現れる」
「見ていると、仲間が増える」
特に怖かったのは、ある投稿の最後に書かれていた一文。
「見た後、夜中に部屋の角で誰かが揺れてるように見えたら、それが“連れてきてしまった”証拠です。」
その晩、部屋の隅で、何かがゆっくりと揺れている影を見たのは、言うまでもありません。
今も踊り続けている
あれからその公園には一度も近づいていません。
でも、たまに夜中、カーテンの隙間から見える道路の端で、誰かが腕を広げて踊っているのが見えるときがある。
何もないところで。
誰もいない時間に。
あれはまだ、“踊り相手”を探しているんじゃないかと思うんです。
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