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せめて誰かに聞いてほしかった|“あの部屋”で起きたこと 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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これは、私が以前住んでいた都内のワンルームマンションで実際に体験した出来事です。
当時は仕事が忙しく、友人付き合いもほとんどなく、夜遅くに帰宅して寝るだけの生活をしていました。
何が怖かったのか。
正直、今でも自分でもうまく言葉にできません。
でも――せめて、誰かには聞いてほしかったんです。

【1. 気づかないふりをしていた違和感】

引っ越して最初の1週間ほどは、特に問題はありませんでした。
駅からも近く、築浅、室内も清潔。家賃も安めで文句なし。

けれど、ある夜、部屋の電気を消して布団に入ったとき、
壁の向こうからかすかに女性の“すすり泣く声”が聞こえた気がしたのです。

最初は上下階の住人だと思いました。
でも、その泣き声は毎晩決まって午前2時きっかりに始まり、ぴたりと15分で止む。

それが、隣人の生活音としては不自然すぎると気づいたのは、数日後でした。

【2. 共有廊下で見たもの】

深夜、コンビニ帰りにエレベーターを降り、廊下を歩いていたときのこと。
自分の部屋のドアの前に、誰かが立っているのが見えました。

長い髪で顔は見えなかったけれど、黒いワンピースの女性が、ドアの前でうつむいて立っている。

思わず立ち止まった瞬間――
その人はスッと、音も立てずに消えたのです。

その晩も、やはりすすり泣く声は聞こえました。

【3. 管理会社の“一言”】

我慢の限界がきて、管理会社に相談しました。
「隣の部屋の方のことで、少し気になることがありまして……」

しかし、担当者が言ったのは意外な一言。

「お隣、空室なんですよ。半年以上前から誰も入っていません」

背筋が凍る、とはこのことでした。
それでも“気のせい”だと思い込もうとしました。

【4. 本棚の隙間にあった“もの”】

ある日、部屋の掃除中に、壁際に置いていた本棚の後ろに紙が1枚挟まっているのに気づきました。

それは、大学ノートを破ったページのようなもので、
かすれた筆跡で、こう書かれていました。

「だれか、きいてください」
「ここにいるの、わたしだけじゃないんです」
「ほんとうは、ずっと前から――」

その後の文字は、インクがにじんで読めませんでした。

【5. 聞こえなくなった泣き声】

不思議なことに、それ以来、泣き声はぴたりと聞こえなくなりました。
代わりに、夜中にときどき、自分の寝言のような声でこうつぶやいていることに気づくようになりました。

「ねえ、まだ……聞いてくれてますか?」

私は答えることができませんでした。

ただ、こうして誰かに話すことで、少しでも――
あの声を、記憶にしてあげられたらと思っています。



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