目次
映画『瞳をとじて』とは
『瞳をとじて』 は、スペインの名匠 ビクトル・エリセ が約30年ぶりに長編映画として発表した話題作です。
原題は 『Cerrar los ojos』。2023年にカンヌ国際映画祭で上映され、日本では2024年に公開されました。
「映画」「記憶」「人の存在」を静かに、しかし深く問いかける作品として、映画ファンや批評家から高い評価を受けています。
あらすじ（ネタバレなし）
かつて映画監督として活躍していた ミゲル。彼の人生は、主演俳優 フリオ が撮影中に突然失踪した事件をきっかけに、大きく変わってしまいます。
それから数十年後――
ミゲルは、あるテレビ番組の取材を通して、忘れ去られていた失踪事件と再び向き合うことになります。
行方不明となった俳優、残されたフィルム、そして「見ること」「記憶すること」の意味。
物語は過去と現在を行き来しながら、静かに核心へと近づいていきます。
見どころ・魅力
① “映画そのもの”をテーマにした深い物語
『瞳をとじて』はサスペンスでもドラマでもありながら、同時に 映画という表現そのものを描いた作品 です。
フィルム、スクリーン、視線――映像が持つ力と儚さが、物語の随所に込められています。
② 記憶とアイデンティティを巡る静かな衝撃
登場人物たちは「自分は何者なのか」「記憶が失われたとき、人は同じ存在と言えるのか」という問いに直面します。
派手な演出はなくとも、観終わったあとに深く心に残る余韻があります。
③ ビクトル・エリセならではの映像美
長回し、静寂、光と影の使い方など、エリセ監督らしい 詩的で研ぎ澄まされた映像表現 が堪能できます。
映画を“観る”という行為そのものを、改めて意識させてくれる一作です。
こんな人におすすめ
芸術性の高い映画をじっくり味わいたい
記憶や人生をテーマにした作品が好き
映画史・映画表現に関心がある
派手さよりも余韻を重視する映画を探している
個人的感想
ミツバチのささやきと少しつながっている感じ。
ミツバチのささやきで、アナトレントが演じたのはアナという少女。
今回もアナという女性を演じています。
アナの出番はそんなにないですが、とても重要で登場シーンは何とも言えない良いシーンです。
内容的には静かにたんたんとお話が進んでいきます。
でも、ミツバチのささやきよりもストーリの浮き沈みや動きがあるので、楽しく見れました。
ただ、エンタメ作品が多い最近からするとあまり好かれる作品ではない気がします。
ゆっくりじっくり人間ドラマを見たい人にはおすすめです。
見終わった後の余韻はなんとも言えなく、そしてエリセ監督だなって思いました。
アナトレント演じるアナが出てくる映画 ミツバチのささやき
まとめ
『瞳をとじて』は、映画を愛するすべての人に向けた静かな傑作です。
派手な展開や明快な答えはありませんが、その分、観る者それぞれの記憐や人生に深く寄り添います。
「映画とは何か」「見るとはどういうことか」――
そんな問いに向き合いたい方は、ぜひ一度この作品を体験してみてください。
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