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廃屋の秘密:近所の廃屋で起きた恐怖の体験 (怖い話、奇妙な話)

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夏休みのある日、私は友達のケンと一緒に近所の廃屋に探検に行くことにしました。私たちが住んでいた町には、長い間誰も住んでいない古びた家がありました。子供たちの間では、その廃屋は「おばけ屋敷」として恐れられていました。しかし、私たちは怖い話を聞くたびに好奇心が増し、ついにその謎に挑む決意をしたのです。

ケンと私は、午前中に家を出発しました。陽射しが強く、セミの鳴き声が響く中、廃屋に向かって歩きました。廃屋は町の外れにあり、木々に覆われた小道を進むと、その姿が見えてきました。錆びついた門を押し開けると、庭は雑草で覆われ、家自体も崩れかけていました。窓ガラスは割れ、扉は半開きのまま風に揺れていました。

「本当に入るの?」ケンが不安そうに言いました。

「もちろんだよ。大丈夫、何も起きないさ。」私は強がって答えました。

廃屋の中に足を踏み入れると、ひんやりとした空気が漂ってきました。廊下には埃が積もり、古い家具が散乱していました。私たちは懐中電灯を点けて、奥へと進みました。床がきしむ音が響くたびに、二人ともびくりとしましたが、好奇心が勝り、さらに奥へと進んでいきました。

二階に上がる階段を見つけると、ケンが言いました。「上に何があるか見てみよう。」

私は頷き、慎重に階段を上りました。二階はもっと暗く、狭い廊下が続いていました。いくつかの部屋があり、それぞれの扉が少し開いていました。私は一番手前の部屋の扉を開けました。中には古いベッドと壊れた鏡台がありました。埃まみれの床には何かの足跡が見えました。

「誰かがここに来たのかな?」ケンが囁きました。

「多分ね。でも気にすることないよ。」私はそう言いましたが、内心は不安が募っていました。

次の部屋に向かおうとしたその時、背後でかすかな声が聞こえました。振り向くと、誰もいません。しかし、その声は確かに聞こえました。まるで誰かが「助けて」と言っているようでした。

「ケン、今の聞こえた?」私は小声で尋ねました。

「うん、何かのいたずらじゃないの?」ケンも同じく小声で答えました。

私たちは互いに目を見合わせ、次の部屋に進むことにしました。扉を開けると、中には古い人形が並んでいました。人形の顔は割れており、その姿は不気味でした。部屋の中央には、大きな木の箱が置かれていました。私は箱に近づき、蓋を開けようとしました。

その瞬間、背後から冷たい風が吹き抜け、扉が勢いよく閉まりました。ケンと私は驚いて後ずさりしました。

「ここ、やっぱりおかしいよ。」ケンが震え声で言いました。

「でも、もう少しだけ調べてみよう。」私はそう言いながらも、心臓がバクバクと音を立てていました。

木の箱の蓋を開けると、中には古い日記が入っていました。日記を取り出し、ページをめくると、そこには奇妙なことが書かれていました。家に住んでいた家族が突然失踪し、その原因がこの家にあるという内容でした。そして、最後のページにはこう書かれていました。

「もしこの日記を読んでいるなら、すぐにこの家から逃げろ。さもなければ、我々と同じ運命を辿ることになるだろう。」

その瞬間、二階の窓が激しく音を立てて割れました。何かが窓から飛び込んできたのです。ケンと私は恐怖で動けなくなりましたが、すぐに我に返り、廊下へと駆け出しました。階段を駆け下り、玄関へと向かいましたが、扉は閉ざされていました。

「どうするんだ、ケン?」私は絶望的に叫びました。

ケンは慌てて、他の出口を探しました。すると、地下への扉が目に入りました。私たちは迷わず地下に向かいました。暗い階段を持ってきた懐中電灯で照らしながら降りると、さらに不気味な空気が漂っていました。地下室には古い家具や工具が散乱しており、その奥にはもう一つの扉がありました。

扉を開けると、そこには古びたトンネルが続いていました。私たちはトンネルを進み、ようやく外の光が見えてきました。トンネルの出口は廃屋の裏庭に繋がっており、私たちは無事に外に出ることができました。

廃屋から逃げ出した私たちは、すぐに警察に通報しました。警察が廃屋を調査した結果、地下室のトンネルが不法に作られていたことが判明し、また、失踪した家族の痕跡も見つかりました。しかし、家族がどこに行ったのか、何が起こったのかは未だに謎のままです。

私たちはあの日以来、廃屋に近づくことはありませんでした。しかし、時折、あの家の前を通るたびに、あの時の恐怖が蘇ります。廃屋は今でも町の人々に恐れられ、誰も近づこうとはしません。

あの日の出来事は、私たちにとって忘れられない体験となりました。廃屋の秘密を解き明かすことはできませんでしたが、あの場所には何か恐ろしい力が働いていると確信しています。これからも、廃屋は謎に包まれたままであり続けるでしょう。

このようにして、私たちは廃屋の秘密に触れることとなり、恐怖の体験をしました。皆さんも、好奇心で危険な場所に近づかないようにしてください。

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