私は大学生のカナコです。普段は忙しい日々を送っていますが、週末には友人と一緒に出かけるのが楽しみです。その中でも特に好きなのがフリーマーケットに行くことでした。掘り出し物を見つけるのはワクワクするし、何よりも予期せぬ出会いがあるからです。しかし、その日はいつもとは違う、忘れられない恐怖の体験をすることになりました。
その日は晴天で、フリーマーケットは大盛況でした。色とりどりのテントが並び、各ブースには古着やアンティーク、小物が所狭しと置かれていました。私は友人のリサと一緒に市場を歩き回り、掘り出し物を探していました。そんな中、ふと目に留まったのが古びた人形でした。
その人形は、アンティーク風のドレスを着た少女の形をしていました。髪の毛はくすんだ金色で、目はガラス製で異様にリアルでした。何かに引き寄せられるように、その人形を手に取ると、売り主の老人が近づいてきました。
「お嬢さん、その人形が気に入りましたか?」老人は微笑みましたが、その微笑みにはどこか不気味なものがありました。
「はい、いくらですか?」私は値段を尋ねました。
「特別価格でお譲りしましょう。500円でどうですか?」老人の言葉に、私は即座に購入を決めました。人形の不思議な魅力に惹かれたのです。
家に帰ると、私はその人形を部屋の棚に飾りました。リサもその人形に興味を示し、「かわいいけど、ちょっと怖いね」と言いました。私は笑って、「確かにね。でも、何か魅力があるよね」と答えました。
しかし、その夜から奇妙なことが起こり始めました。夜中に目が覚めると、部屋の中で何かが動く音が聞こえました。最初は風の音だと思っていましたが、次第にそれが人形のいる方向から聞こえてくることに気づきました。
数日後、私は友人のアキラにもその人形の話をしました。アキラは心配そうに言いました。「その人形、ちょっと調べてみたらどうかな?もしかしたら、何か良くないことがあるかもしれないよ。」
アキラの提案に従い、私は人形について調べ始めました。インターネットで「アンティーク人形 呪い」と検索すると、様々な恐ろしい話が出てきました。中には、呪われた人形によって不幸な出来事が起きたという話もありました。ますます不安になった私は、人形を手放すことにしました。
その夜、再び奇妙な音がしました。今度ははっきりと人形が動くのを目撃しました。人形が棚から落ちて床に転がり、その目が私を見つめているように感じました。恐怖に震えながら、私は人形を拾い上げ、すぐに箱に入れて封印しました。
翌日、私はリサとアキラに相談しました。二人とも私の話に驚き、協力してくれることになりました。私たちは地元の歴史に詳しいという老人を訪ねました。老人は私たちの話を聞いて、人形を見た瞬間に表情を曇らせました。
「この人形は…古い伝承にある『呪われた人形』に似ています。かつて、この地域で恐ろしい事件がありました。ある家族がこの人形を手に入れてから、不幸が続き、最後には家族全員が亡くなったと言われています。」
老人の話に、私たちは背筋が凍りました。私たちは何とかしてこの呪いを解く方法を探すことにしました。老人は続けました。
「呪いを解くには、この人形を元の持ち主の墓に戻す必要があります。その墓は、山奥の古い墓地にあると言われています。」
私たちはその夜、山奥の墓地に向かうことにしました。闇夜に包まれた山道を進むと、不気味な静けさが漂っていました。懐中電灯の明かりだけが頼りで、一歩一歩が恐怖に満ちていました。
墓地に到着すると、老人の言った通り、古びた墓がありました。私たちはその墓に人形を置き、祈りを捧げました。その瞬間、冷たい風が吹き抜け、空に満月が輝きました。何かが解放されたような感覚がありました。
翌日、私は不思議なほど平穏な気持ちで目を覚ましました。人形の呪いが解けたことを確信し、安心しました。リサとアキラも無事で、私たちの友情はさらに深まりました。
それ以来、フリーマーケットで物を買うときには、注意深く選ぶようにしています。あの恐怖の体験は一生忘れられない教訓となりました。皆さんも、見知らぬ物には注意してください。特に、それが何か不気味な雰囲気を持っている場合は。
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