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霧の街、そして廃墟病院
深い霧に覆われた港町、霧島市。その一角に、かつて栄華を誇った「霧島中央病院」の廃墟がそびえ立っていました。
30年前に突然閉鎖されたこの病院は、数々の都市伝説の舞台となり、地元の人々から恐れられていました。
特に、夜になると病院から聞こえるという、叫び声や呻き声は、多くの人の恐怖を煽っていました。
興味本位の訪問者たち
そんな廃墟病院に、好奇心旺盛な大学生グループが忍び込むことにします。
メンバーは、心霊現象に詳しいリーダーのユウキ、オカルト好きのミノリ、ホラー映画マニアのヒロ、そしてお調子者のカズト。
彼らは、廃墟病院で心霊現象を体験し、それを動画として公開することで話題を集めようと企んでいたのです。
異様な雰囲気
夜更け、霧島中央病院に忍び込んだ4人。
病院内は薄暗く、埃だらけで、不気味な静寂に包まれていました。
ユウキは懐中電灯を手に、先頭を歩き始めます。
ミノリは、背筋をゾクゾクさせながら、周囲を見渡しました。
ヒロは、カメラを構え、廃墟の風景を撮影していました。
カズトは、緊張を紛らわすために、軽口を叩いていました。
聞こえる声
奥の病室へと進む4人。
すると、突然、どこからか人の声が聞こえてきました。
「助けて…助けて…」
それは、明らかに苦痛に満ちた女性の声でした。
4人は恐怖に凍りつき、声のする方へと目を向けました。
しかし、薄暗い病室には誰もいません。
迫り来る影
声の正体を探るために、4人はさらに奥へと進んでいきます。
しかし、その瞬間、信じられない光景が彼らの目に飛び込んできました。
薄暗い廊下の奥に、黒い影が立っていたのです。
影は、人の形をしていましたが、その姿はぼやけていて、よく見えません。
4人は、恐怖で言葉を失い、その場から逃げ出しました。
閉じ込められた真実
必死に逃げようとする4人でしたが、いつの間にか、病院の出口が分からなくなっていました。
彼らは、まるで迷路のように入り組んだ廊下を彷徨い、出口を探すことになります。
その間も、彼らは何度か黒い影を見かけました。
そして、影を見るたびに、苦痛に満ちた声が聞こえてくるのです。
過去の悲劇
歩き続けるうちに、4人は病院の地下室へとたどり着きました。
地下室はさらに薄暗く、不気味な雰囲気に包まれていました。
そして、壁には古い新聞記事が貼られていました。
その記事には、30年前にこの病院で起きた医療事故について書かれていました。
ある手術中に起きた事故により、患者が死亡し、その後、病院内で不可解な現象が次々と起こるようになったという内容でした。
怨念の影
4人は、新聞記事を読み、廃墟病院に潜む影の正体が、医療事故で亡くなった患者の怨念であることに気づきます。
彼らは、恐怖に震えながら、なんとか出口を見つけようと努力しました。
しかし、出口は依然として見つかりません。
脱出、そして決意
絶望的な状況に陥った4人でしたが、ユウキが冷静さを保ち、脱出方法を探し始めました。
そして、ようやく小さな窓を見つけ、そこから脱出することに成功します。
病院から逃げ出した4人は、恐怖と安堵の入り混じった感情に包まれました。
後日談
この出来事の後、4人は廃墟病院に二度と近づくことはありませんでした。
そして、彼らは心霊現象に手を出すことをやめ、それぞれの人生を歩み始めました。
しかし、あの夜に体験した恐怖は、彼らの心に深く刻み込まれていました。
そして、彼らは決して忘れることのない、忘れられない真実を知ることとなったのです。
廃墟病院のその後
廃墟病院は、その後も変わらず霧島市にそびえ立っています。
そして、今日もなお、その中に潜む影は、人々の恐怖を呼び起こし続けているのです。
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