田中健一は、都内の中堅企業で働く30代のサラリーマンだった。仕事のストレスが溜まり、毎日の生活に疲れを感じていた彼は、ある日ふとペットを飼いたいという衝動に駆られた。ペットショップを何軒か見て回ったが、どれもこれも同じような犬や猫ばかりで、特に心を動かされることはなかった。
そんなある日、健一は偶然通りかかった古びたペットショップの前で足を止めた。外観はみすぼらしく、看板も色褪せている。中に入ると、店内も薄暗く、所狭しと並べられたケージが乱雑に置かれていた。だが、その一角で彼の目に留まったのは、一匹のハムスターだった。
そのハムスターは他のハムスターと違い、毛並みがきれいで色艶があり、目もキラキラと輝いていた。まるで光を放っているかのように見えるそのハムスターに、健一は一目惚れした。
「あのハムスター、いくらですか?」
「3000円です。」
と店主は答えた。
健一は、少し値段が高いと感じたが、それでもそのハムスターをどうしても家に連れて帰りたくなった。
「このハムスターをください。」
店主はにっこりと微笑み、「あの子は特別な子です。大切にしてあげてくださいね」と言いながら、ハムスターを手渡した。健一はその言葉の意味を深く考えず、自宅に連れて帰った。
彼はそのハムスターに「リリー」と名付け、大切に育て始めた。リリーは、想像以上に元気で活発なハムスターだった。リリーは非常に人懐っこく、健一がケージを開けるとすぐに手に乗ってくる。彼はリリーとの時間を楽しみ、仕事のストレスも少しずつ和らいでいった。
しかし、リリーには一つ奇妙な癖があった。健一が食事をしようとすると、必ずその場に現れて、欲しがる仕草をするのだ。最初は朝の食事時に始まり、次第に昼食、夕食、そして間食のスナック菓子やアイス、ケーキに至るまで、リリーはどんな食べ物でも欲しがるようになった。
健一はリリーのかわいい仕草に心を奪われ、ついついちょびっと分けてあげてしまった。リリーはそのたびに嬉しそうに食べ、さらに健一に懐いていった。彼はリリーが食べ物を喜んで食べる姿に癒され、次第に食事の時間が楽しみになっていった。
奇妙なことに、リリーを飼い、健一が食べ物を分けてあげ、一緒に食事をするようになってから、健一は不思議な変化を感じるようになった。
仕事で疲れ果てて帰宅しても、リリーと遊び一緒に食事をすると不思議と元気になれた。落ち込んでいた時も、リリーのかわいい仕草を見ると、心が明るくなった。
健一は、リリーのおかげで、以前よりも前向きに生活できるようになった。
「ありがとう、リリー。あなたは、私の大切な友達です。」
リリーを手のひらにのせ、やさしく撫でながらお礼を言った。
それから、健一は、仕事のストレスも減り、彼はより充実した毎日を過ごすようになった。
リリーとの出会いは不思議であり、彼にとって大きな変化をもたらした。
これからも健一は、リリーを大切にし一緒に生活をしていこうと思うのだった。
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