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悪夢の虹 (怖い話 奇妙な話 不思議な話)

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梅雨明けの空に、不気味な虹がかかっていた。それは、通常の虹とは異なり、赤、青、紫の色が極端に濃く、まるで血とインクと毒液が混ざり合ったような不自然な輝きを放っていた。町の人々は、その虹を「悪夢の虹」と呼び、恐れおののいた。

主人公の少年、健太は科学少年だった。彼は、この奇妙な虹に強い興味を抱き、図書館で虹に関する資料を漁り始めた。そして、ある古い文献で、この虹が古代より伝わる不吉な兆候であることを知る。

「この虹が現れると、必ず災いが訪れる。それは、天からの警告なのだ。」

文献にはそう書かれていた。健太は、最初は迷信だと片付けようとしたが、町で次々と不可解な事件が起こり始めた。

飼い猫が突然姿を消し、近所の老人が原因不明の病に倒れ、夜には奇妙な影が家の中を彷徨うという噂が広まった。健太は、これらの事件と「悪夢の虹」が関係しているのではないかと疑い始めた。

ある夜、健太は勇気を振り絞って、虹の現れた場所へと向かった。そこは、町の郊外にある廃墟となった古い洋館だった。洋館の中に入ると、そこには、虹色の光を放つ奇妙で大きな装置が置かれていた。装置からは、不気味な音が響き渡り、壁には、古代文字らしきものが刻まれていた。

健太は、この装置が「悪夢の虹」を作り出し、町に災いを招いているのだと確信した。そして、装置を止めるために、一人で立ち向かうことを決意する。

しかし、装置を止めるためには、古代文字の意味を解読しなければならなかった。健太は、図書館で得た知識と、自分の持っている科学的な知識を総動員して、文字を解読していく。

解読を進めるにつれて、健太は恐ろしい事実を知る。この装置は、古代文明が作り出したものであり、人類を滅亡させるための最終兵器だったのだ。そして、この装置を起動させたのは、現代に甦った古代文明の末裔だった。

装置を止めるために、健太は最後の手段に出る。それは、装置の中心にある結晶を破壊することだった。結晶は、虹色の光を放ち、強力なエネルギーを放出していた。

健太は、近くにあった大きな石を持ち、深呼吸をして、結晶に石を投げた。激しい光に包まれ、意識を失った。

目が覚めると、健太は病院のベッドの上にあった。窓の外には、美しい虹がかかっていた。それは、普通の虹だった。

町の人々は、健太を英雄として迎え入れた。そして、誰もが「悪夢の虹」の恐怖から解放されたのだと思った。

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