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心霊スポット:廃墟の豪邸 (怖い話 奇妙な話 不思議な話)

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これは、私が大学生の頃、友人たちと一緒に心霊スポットに行った時の話です。夏休みのある夜、私たちは「肝試し」をしようということになり、地元で有名な廃墟に向かいました。その場所は、昔は豪邸だったと言われていますが、今では荒れ果てており、地元では「出る」と噂される心霊スポットとして知られていました。

廃墟は山の中にひっそりと建っており、周囲には木々が生い茂り、昼間でも薄暗い雰囲気が漂っていました。私たちが訪れたのは夜中の12時を回った頃で、空には月がぼんやりと浮かび、辺りは静まり返っていました。心臓がドキドキしながらも、誰が最初に中に入るかを決めるために、みんなでジャンケンをしました。運悪く、私が最初に入ることになりました。

懐中電灯を手に、私はゆっくりと廃墟の中に足を踏み入れました。中はひどく荒れていて、ガラス窓は割れ、床は腐りかけていました。何十年も手入れされていない感じがあり、湿った空気が肌にまとわりつくようでした。友人たちは廃墟の入口から私の様子を伺っていましたが、誰も笑っていませんでした。皆、本当に怖がっていたのです。

私は緊張しながらも、友人たちに負けじと、廃墟の奥へと進んでいきました。すると、突然背後から「カタッ」という音が聞こえました。振り向いてみましたが、誰もいません。風で何かが動いただけだろうと自分に言い聞かせ、さらに奥へと進みました。しかし、廃墟の中はやはり不気味で、何かがこちらを見ているような感覚がしてなりませんでした。

しばらく進んだ先に、大きな和室がありました。畳はボロボロで、天井も崩れかけています。私はその部屋に入り、しばらく立ち止まって周囲を見回しました。すると、部屋の隅に古びた掛け軸がかかっているのが目に入りました。興味を引かれ、懐中電灯をその掛け軸に向けた瞬間、突然背後から誰かに肩を掴まれたような感覚がありました。

「うわっ!」と叫び、慌てて振り返りましたが、そこには誰もいません。しかし、肩に感じたあの冷たい手の感覚は確かに存在しました。全身が鳥肌で覆われ、恐怖で体が動かなくなりました。必死に気を落ち着けようとしましたが、その時、今度は背後から「ヒュッ」という風の音とともに、耳元で何かが囁くような声が聞こえました。

もう限界だと思い、私はその場から一目散に逃げ出しました。友人たちの待つ外に飛び出すと、彼らも私の青ざめた顔を見て、何があったのかと焦り始めました。私は震える声で、今体験したことを話しましたが、誰もそれを聞いて笑うことはありませんでした。むしろ、みんなもその場の異様な雰囲気を感じ取っていたようで、すぐに車に乗り込み、その場所を後にしました。

帰りの車の中でも、皆無言で、重い沈黙が続きました。何が起こったのか、あの囁き声が何だったのかは分かりませんが、あの廃墟で感じた恐怖は今でも鮮明に覚えています。それ以来、心霊スポットには近づかないようにしていますが、あの時の体験は、私にとって忘れられない記憶となっています。

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