これは、私が社会人になって数年経った頃、友人たちと一緒に訪れた「呪われた橋」での出来事です。その橋は古く、地元では不吉な場所として知られており、そこを夜に渡ると必ず何か良くないことが起こると言われていました。特に、橋の真ん中で「何か」に遭遇するという噂があり、怖いもの見たさで私たちはその橋に行くことにしました。
橋は山奥にあり、周囲には民家もほとんどなく、夜になると完全に静寂が支配する場所です。出発の日、私たちは4人で車に乗り込み、夜の山道を走りました。橋に近づくにつれて道は次第に狭くなり、やがて木々に囲まれた暗い道に入りました。街灯はまばらで道の先は見えずらく、車のライトが頼りでした。
橋に到着すると、そこは本当に古びていて、ところどころ木が腐っているのが見て取れました。橋の両端には錆びた柵があり、下には深い谷が広がっていました。友人の一人が「本当にここで何か起こるのか?」と半ば冗談混じりに言いましたが、その言葉にはどこか不安が含まれているのが感じられました。
私たちは車を降り、恐る恐る橋の上を歩き始めました。夜風が冷たく、どこかからフクロウの鳴き声が聞こえてきました。みんなが無言で歩みを進めていました。橋の中央に差し掛かった時、突然前方から「ガサガサ」という音が聞こえました。
「今の音、聞いた?」と誰かが小声で言いましたが、全員がその音を聞いていました。橋の端の方に人影のようなものが見えました。最初はただの影かと思いましたが、それが徐々にこちらに向かってくるのが分かりました。懐中電灯を向けても、その影は形を変えながらこちらに近づいてくるように見えました。
全員がその場で凍りつき、誰もが次に何をするべきか分かりませんでした。その影がさらに近づいてくると、突然、橋全体が強く揺れ始めました。まるで何か巨大な力が橋を揺さぶっているかのように、私たちはバランスを崩し、必死で手すりにしがみつきました。その揺れと同時に、足元から「ザザザ…」という不気味な音が響き渡り、全員が恐怖で声を失いました。
「逃げるぞ!」と誰かが叫び、私たちは全力で元来た道を引き返しました。橋の揺れはますます激しくなり、後ろから追いかけてくる影も一緒に揺れているように見えました。息が切れそうになる中、ようやく橋の端にたどり着き、車に飛び乗りました。
エンジンをかけると、すぐにその場を離れましたが、車を走らせる間も、後ろから何かが追いかけてくるような気配を感じていました。しばらくして、安全な場所に到着し、ようやく全員が息をつくことができました。しかし、全員が汗だくで、恐怖に震えていました。
後で聞いた話によると、あの橋は昔、何人もの人が亡くなった場所で、特にその橋の中央には「霊が集まる」と言われていた場所だったそうです。その影の正体が何だったのか、橋が揺れた理由が何だったのかは今も分かりません。ただ、あの橋で感じた恐怖と緊張感は今でも忘れることができません。
その後、私たちは二度とその橋には近づきませんでしたが、あの時の出来事は私たちの間で語り草になり、時折思い出すたびに背筋が寒くなります。あの場所には、本当に何か不気味な力が存在しているのかもしれないと、今でも思っています。
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