怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

恐怖のじゃんけん:絶対に挑んではいけない呪われたゲームの真実 (怖い話 奇妙な話 不思議な話)

投稿日:

ある地方の小さな村には、昔から「恐怖のじゃんけん」と呼ばれる奇妙な言い伝えがありました。このじゃんけんに負けると、その人は取り返しのつかない災厄に見舞われると言われています。特に、夏の終わり、満月の夜に行われるそのじゃんけんは、決して挑んではならないとされていました。

ある年、都会から移り住んできた高校生の三人組、翔太、健太、そして美咲は、その噂を聞き興味本位で試してみることにしました。地元の友人たちからは「やめとけ」と口を酸っぱくして止められましたが、彼らは笑いながら無視しました。

「ただのじゃんけんだろ?何が怖いんだよ」と、翔太が軽口を叩き、三人は村外れにある古い神社へ向かいました。そこは、もう何十年も手入れされておらず、草木が生い茂り、不気味な雰囲気が漂っていました。鳥居をくぐると、冷たい風が彼らを迎え、まるで誰かが見ているかのような気配を感じました。

彼らは、神社の中央にある大きな石の前に座り込み、満月が高く昇るのを待ちました。やがて、月が頭上に輝くと、翔太が言いました。「じゃあ、始めるか。じゃんけん、ぽん!」

彼らはそれぞれ手を出しましたが、その瞬間、周囲の空気が異様に重くなりました。風が止み、夜の虫の音も消え、静寂が支配しました。健太が最初に気付きました。彼の出した「パー」の手が、なぜか動かないのです。まるで凍りついたかのように硬直し、指が開いたまま戻らなくなりました。

「なんだこれ……動かない……!」健太は焦り、必死に手を振ろうとしましたが、何も変わりません。同時に、美咲の顔が真っ青になりました。彼女も、自分の出した「チョキ」の手が石のように固まっていることに気付いたのです。

「どういうこと……?これ、冗談でしょ?」美咲は怯えた声で言いましたが、誰も答えることができません。翔太も同じく、彼の「グー」の手が一切動かなくなっていました。

そのとき、どこからともなく、ざわざわとした囁き声が聞こえてきました。それは人間の声ではなく、古びたラジオの雑音のような不明瞭な音でしたが、確かに「もう遅い」「逃げられない」と言っているようでした。三人は恐怖に駆られ、その場を離れようとしましたが、体が思うように動きません。足が地面に根付いたように、全く動けなくなってしまったのです。

突然、彼らの前に人影が現れました。それは古びた着物をまとった老婆で、顔は深い皺で覆われ、目は黒い穴のようにぽっかりと開いていました。老婆は、にたにたと不気味な笑みを浮かべながら、静かに言いました。

「負けた者は……ここに留まるんじゃ……永遠に……」

その瞬間、三人の意識は闇に包まれました。次に彼らが目を覚ましたのは、古びた神社の境内でした。しかし、何かがおかしいとすぐに気付きました。周囲には誰もいないはずなのに、自分たちと同じ顔をした人々が、じゃんけんを繰り返し続けているのです。彼らは声を発することなく、無表情で、延々とじゃんけんを繰り返すだけでした。

三人はその光景を見て、背筋が凍るような恐怖に襲われました。気付くと、自分たちもその中に加わり、終わらないじゃんけんをしているのです。そして、このじゃんけんには終わりがないと悟るのでした。

その後、村ではこの三人組を見た者はいません。彼らの家族は警察に捜索願を出しましたが、手がかりは一切見つかりませんでした。ただ、あの神社の近くを通る人々は、時折、耳元で「じゃんけん、ぽん……」という声を聞くことがあると言います。

そして、その声を聞いてしまった者は、決して振り返ってはいけないそうです。振り返れば、その場で恐怖のじゃんけんに巻き込まれ、二度と元の世界に戻ることはできないのですから……。

どうか、この話を聞いたあなたも、じゃんけんには気をつけてください。特に満月の夜には――。

マンガ無料立ち読み

マンガをお得に読むならマンガBANGブックス 40%ポイント還元中

1冊115円のDMMコミックレンタル!

人気の漫画が32000冊以上読み放題【スキマ】


ロリポップ!

ムームーサーバー




新作続々追加!オーディオブック聴くなら - audiobook.jp

ほんとうにあった怖い話「年上の彼女」



ページをめくってゾッとする 1分で読める怖い話 [ 池田書店編集部 ]

価格:1078円
(2024/7/23 13:25時点)
感想(1件)



-怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集
-

Copyright© 映画・ドラマ・本・怖い話・奇妙な話・不思議な話・短編・ガールズ戦士シリーズ・Girls2(ガールズガールズ)などの紹介・感想ブログです。 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.