これは、私が実際に体験した出来事です。信じるか信じないかは、あなた次第です。
数年前、私は一人暮らしを始めたばかりでした。仕事柄、パソコンに向かう時間が長く、特に深夜まで作業することが日常でした。その日もいつものように、夜遅くまで仕事をしていました。時間は午前1時を回っていたと思います。仕事を終え、少し休憩しようとコーヒーを入れて、パソコンの前に戻ったときのことでした。
突然、パソコンの画面がチカチカと点滅し始めたのです。最初はただの電源トラブルだと思い、特に気にも留めませんでした。しかし、すぐにその異常が私の注意を引きました。デスクトップに見慣れないアイコンが現れていたのです。名前も不明で、何のファイルなのか見当もつきませんでした。もちろん、そんなファイルを作成した覚えもダウンロードした覚えもありません。
「何だこれ…?」
不安に駆られつつも、私はそのアイコンをクリックしました。ファイルはすぐに開かれ、テキストエディタが表示されました。中にはただ一言だけが書かれていました。
「こっちを見ている」
その短いメッセージに、私は一瞬、背筋が凍るのを感じました。まるで誰かが私を監視しているような気分になったのです。周囲を見回しましたが、当然誰もいません。部屋には私一人だけです。
「いたずらか何かかな…」
そう自分に言い聞かせ、ファイルを閉じようとしました。しかし、その瞬間、画面が一瞬ブラックアウトし、再び同じメッセージが表示されました。今度は少し変わっていました。
「まだ見ている」
私はパソコンを再起動しようとしましたが、何度クリックしても反応がありません。強制終了しようとしても、パソコンは固まったままで動きませんでした。心臓がドキドキと高鳴り、恐怖が一気に押し寄せてきました。
「もしかしてウイルスか…?」そう考えた私は、すぐにウイルススキャンを試みました。しかし、スキャンが始まる前に、パソコンの画面がまたブラックアウトしました。そして再び、テキストエディタが自動的に開き、新たなメッセージが表示されました。
「逃げられない」
もう耐えられなくなり、私はパソコンの電源を引っこ抜きました。画面が消え、ようやく静寂が戻ってきましたが、心臓の鼓動はまだ収まりません。何が起こったのか理解できないまま、私はソファに座り込んで深呼吸しました。しばらくして、落ち着きを取り戻し、もう一度パソコンの電源を入れました。
起動が完了し、デスクトップが表示されたとき、私は再び凍りつきました。例のアイコンがまだそこにあったのです。さらに恐ろしいことに、今度はアイコンが増えていました。それぞれのアイコンには、先ほどのメッセージと同じ「こっちを見ている」「まだ見ている」「逃げられない」といった言葉が書かれていました。
「これはおかしい…」
私は何か悪意のあるプログラムに感染したのではないかと考え、インターネットで解決策を探すことにしました。しかし、検索しようとするとブラウザが勝手に閉じられ、またテキストエディタが開きました。
「次はあなたの番だ」
その一言に、私は限界を感じました。パソコンを閉じると、すぐにベッドに飛び込み、布団をかぶって眠りにつこうとしましたが、眠れるはずもありませんでした。何時間も経ってから、ようやく薄い眠りに落ちたと思います。
翌朝、私は恐る恐るパソコンを再び開きました。奇妙なアイコンはすべて消えており、何事もなかったかのようにパソコンは正常に動作していました。昨夜の出来事が夢だったのかと思いかけましたが、そんなはずはありません。アイコンも、メッセージも、すべて現実に起こったのです。
それからというもの、私は深夜にパソコンを使うことを避けるようになりました。いまだにあのファイルがどうして現れたのか、そして誰がそれを作成したのかはわかりません。ただ一つだけ言えるのは、あの夜以来、何かに見られているという不安が、私の中から消えないということです。
もしかしたら、今もどこかで私を監視しているのかもしれません。そして、次にそのメッセージが現れる時、私はもう逃げられないのではないかと、恐怖に駆られるのです。
パソコンに潜む見えない恐怖――あなたのデスクトップにも、知らぬ間に何かが忍び寄っているかもしれません。
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