鏡に映る謎の瞳が追い続ける恐怖!ビジネスホテルで出会った不可解な出来事の真相とは?
出張で地方のビジネスホテルに宿泊することになった健二は、疲れた体をベッドに沈め、明日の会議に備えて早めに休むことにしていた。部屋は古びていて、少し狭いが、特に問題はなかった。都会の忙しさから解放される静かな夜だった。
健二はシャワーを浴び、鏡の前で髪を拭いていた。ふと、鏡越しに背中に違和感を覚えた。何かが視界の隅に映り込んでいる気がする。最初は気にしなかったが、再び鏡を覗くと、今度は明確に「何か」が見えた。
背中に、誰かの目が映っていた。
「え…?」健二は驚き、振り返ったが、当然そこには誰もいない。しかし、鏡に映る背中の部分に、確かに一つの「瞳」がじっとこちらを見つめていた。冷たく、無機質なその瞳は、まるで健二の身体を乗っ取ろうとしているかのようだった。
気味が悪くなり、すぐにその場を離れたが、鏡に映る「目」は頭から離れなかった。何度も背中を確認したが、実際の身体には何も異常はない。しかし、鏡に映すたびに、その目はじっと彼を見つめているのだ。
翌日、会議を終えた健二はホテルに戻り、再びシャワーを浴びた。前夜の出来事は疲労のせいだと思い込み、深く考えないようにしていた。だが、鏡を見た瞬間、背中に感じる視線は消えていなかった。鏡の中の自分を確認すると、再びあの瞳が背中に浮かび上がっている。
「一体なんなんだ…」彼は鏡をじっと見つめながら呟いた。すると、その瞳が突然動き出した。瞳はじっと彼を見つめたまま、少しずつ視線を動かし、健二の全身をなぞるように追いかけてきた。
そして、低く不気味な囁き声が聞こえてきた。
「オオオ……ェェェ……オボドロ……」
その声は、まるで健二の背後から直接耳に届くように響いた。振り返っても何もないが、鏡の中で「目」はさらに動き、囁きを続けていた。
「オオオ……ェェェ……オボドロ……」
恐怖に震えた健二は、鏡から目をそらし、浴室から飛び出した。恐ろしい体験だったが、少し落ち着いた頃には「自分の疲れが原因だ」と考えようとしていた。だが、心のどこかでは、明らかにそれがただの幻覚ではないことを感じていた。
その晩、健二は無理やり眠りについた。しかし、深夜に何かが目を覚まさせた。部屋中が静まり返っている中、背中に視線を感じる。まるで、何かが自分を見つめているようだった。
「またか…」と呟きながら恐る恐る起き上がり、鏡に映った自分を確認すると、そこにはまたもや「目」が浮かんでいた。だが、今度はその目が動くことはなかった。ただ、じっと彼を見つめているだけだった。
健二はもう限界だった。朝早くチェックアウトし、ホテルを飛び出すようにしてその町を後にした。自分の身に何が起こっているのか、分からないままだったが、とにかくその場所を離れたかった。
その後、健二は別のホテルに宿泊し、出張を終えて帰宅した。しかし、自宅に戻った夜、再びシャワーを浴びた時、鏡の中の背中に再びあの「目」が映っていた。どこに行っても、その瞳は彼を見つめ続けていたのだ。
最終的に健二は、精神科に通うことを決めた。自分の背中に浮かぶ「目」が現実なのか、それとも自分の精神が壊れてしまったのか判断がつかない状態になっていたのだ。医師は「幻覚かもしれない」と話し、治療を受けることになったが、あの目が消えることはなかった。
今も、健二は鏡を見るたびにその背中にある目を感じている。何者かが、彼の中に潜んで、じっと世界を見つめ続けている。
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