高校の非公式心霊写真部が挑んだ心霊スポット…廃校舎で写った謎の人影の真相とは？
私たちの高校には、公式には存在しない「部活」がある。表向きは認められていないが、部員たちが有志で集まって活動している――それが「心霊写真部」だ。校内でさえあまり知られていないが、仲間内では「幽霊を撮ること」を目的にしているちょっと変わった部活だった。
部長の真央は、小柄で少し不思議な雰囲気を持つ少女。彼女は「幽霊は絶対に存在する」と断言し、毎週のように学校の古い建物や近所の心霊スポットを訪れ、心霊写真を撮ろうとする情熱を持っていた。部員は私を含めて3人、みんな何かしらの好奇心や、怖いもの見たさで集まっているだけだったが、真央の影響で徐々に「心霊」に対する興味が増していた。
ある放課後、私たちは学校の裏にある古びた校舎に向かうことにした。昔、理科の授業で使われていたらしいが、今は使われておらず、老朽化したまま放置されている建物だ。そこには「幽霊が出る」と噂されていて、生徒の間では少しだけ話題になっていた。
「今日はここで本物の心霊写真を撮るのが目標よ！」と真央が意気込んで言った。古びた校舎の中は、昼間にもかかわらず薄暗く、どこか冷たい空気が漂っていた。私たちはスマホやカメラを手に取り、校舎のあちこちを撮影しながら進んでいった。
廊下や教室の窓は割れており、風が吹き込む音が不気味な雰囲気を増していた。だが、特に何も起こることはなく、ただただ荒れ果てた校舎の中を歩き続けた。
「やっぱり、噂だけかもな…」私がそう呟いた瞬間、真央が急に立ち止まった。
「ちょっと待って、この写真…おかしい。」
彼女がカメラを見つめながら言った。私たちは彼女の元に集まり、カメラの画面を覗き込んだ。そこには、ぼんやりとした人影が映り込んでいた。窓ガラスの向こうに立っているかのような、白い影。それは明らかに私たち以外の「誰か」の姿だった。
「これって…誰？」私たちはその瞬間、背筋が凍るような恐怖を感じた。誰もその場にはいないはずなのに、画面には確実に人の形が映っている。
「やっぱり、ここは本物の幽霊スポットなんだよ！」真央が興奮気味に言ったが、他の部員はすぐにここを出たくなった。
「もう十分だろ、早く帰ろうよ」私たちが帰り支度をしていると、校舎の奥から微かな物音が聞こえた。誰も動いていないはずの廊下から、何かが動いている音がする。
「…あれ、聞こえる？」真央が問いかけた。
「やめてくれよ、マジで冗談じゃないぞ…」怖がりの佐藤が青ざめた顔で立ちすくんでいると、音はさらに近づいてきた。
私たちはパニックになり、その場を後にした。結局、心霊写真を手に入れたものの、あの校舎で一体何が起こっていたのか、今でも分からないままだ。
その夜、真央が撮った写真を再確認すると、もっと奇妙なものに気づいた。人影のすぐそばには、私たちが知らないはずの古い机や椅子が並んでいて、まるでかつてその場所で授業が行われていたかのような光景が写っていたのだ。あの校舎の幽霊は、私たちに何かを見せようとしていたのだろうか。それとも…。
その後も私たちは心霊写真部としての活動を続けたが、あの古い校舎には二度と足を踏み入れることはなかった。結局、心霊写真部は私たちの好奇心で成り立っている非公式な部活で、部員たちはその後も怖がりつつも、心霊現象を探求し続けている。
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