廃病院で撮影された不気味な影…非公式心霊写真部が記録した驚きの心霊現象とは?
「次の場所はここにしようと思うの。」
放課後、非公式の心霊写真部の部長・真央が持ってきたのは、学校近くにある古びた廃病院の情報だった。その病院は、長い間使われておらず、地域の人たちの間では「幽霊が出る」と噂されていた場所だ。
私たち心霊写真部のメンバーは、幽霊が出そうな場所を探し出しては心霊写真を撮ろうとする奇妙な部活をしている。しかし、その活動はあくまで学校の非公式なもの。部員は私、真央、そして怯えながらも付き合ってくれる怖がりの佐藤の3人だけだ。今までいくつか心霊スポットを巡ったものの、明確な心霊写真は撮れた試しがなかった。
「廃病院とか…まじでやめようぜ。冗談抜きで危ないだろ?」
佐藤はいつもビビリながらも参加するが、彼の反対はいつも空回りだ。真央はその提案を聞いても全く意に介さず、廃病院への探索を提案する。
「やめるなら、佐藤くんだけ家に帰ってもいいよ?怖がりは不要だから。」
「いやいや、行くけどさ…。大丈夫なのかよ、本当に…」
結局、廃病院探索の日は決まり、私たちは放課後、薄暗くなった夕方にその廃病院へ向かった。病院の外観は古びていて、窓ガラスが割れ、雑草が生い茂っている。入るだけでも勇気が要る場所だったが、私たちは懐中電灯を片手に病院の入口へと足を踏み入れた。
中は冷たく湿っぽい空気が漂っていて、床は所々で崩れていた。壁にはかつての病院の痕跡が残っており、廃棄されたベッドや古い器具が散乱していた。
「これ、まじでヤバくないか…?」佐藤が弱々しく呟いたが、真央はカメラを片手に次々と病院内を撮影し始めた。
「この辺、絶対なんか出るって!しっかり撮って!」彼女は興奮しながら言い放ち、病院の奥へと進んでいった。
暗い廊下を進んでいると、突然冷たい風が吹き抜けた。誰も窓を開けたわけでもないのに、奇妙な風が私たちを包み込むように感じた。
「やっぱりここ、何かいるよ。ほら、撮ってみて。」
真央の声に従い、私たちは辺りを何枚も撮影した。カメラのフラッシュが暗闇を照らし、廃病院の荒れた内装が浮かび上がる。だが、特に何も写っている様子はなかった。
「ふぅ…怖かったけど、何もないな…」
探索が一段落ついたところで、佐藤がほっと息をついた。私たちは、最後に病院の待合室を撮影し、そこから引き返すことに決めた。
翌日、学校で真央が撮影した写真を確認していた時、ある一枚に異変があった。
「ちょっと、この写真見て…」
真央が真剣な表情で私たちに写真を見せてきた。その写真は、廃病院の待合室で撮影したものだった。最初は何も気づかなかったが、よく見ると、窓際の一角に「誰かが座っている影」が映っていた。
「これって、誰だ…?」私は息を呑んだ。そこには、ぼんやりとした白い人影が確かに見えた。座っている人の姿のようだが、顔ははっきりしていない。
「他に誰もいなかったはずだよな…」
佐藤の声も震えていた。写真には、私たちがその場にいたはずの時間に、絶対に存在しない「誰か」が写っていたのだ。
「これが…ついに本物かもしれない。」真央が興奮気味に言った。彼女はこれまで様々な場所で心霊写真を撮ろうとしていたが、ここまではっきりとしたものは初めてだった。
その後、私たちはその廃病院へ再び行くことはなかった。写真は証拠として残ったものの、誰もその真相を確かめる勇気が出なかったのだ。結局、心霊写真部はその一件を最後に、活動を控えることになった。
それから数年が経ち、私たちはそれぞれ進路を歩んでいるが、あの廃病院で撮った一枚の写真が今でも頭から離れない。幽霊か、ただの影か。何が映り込んでいたのか、その答えを知るのは、廃病院に潜む「何か」だけなのだろう。
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