卒業アルバムに現れた謎のメッセージ…次第に変わり続ける不気味な言葉の意味とは?
高校卒業から数年後、私は引っ越しの際に実家の物置から卒業アルバムを見つけた。引っ越しの準備に追われていたが、手を止めて少しだけ休憩がてらにそのアルバムを開いてみることにした。学生時代の思い出が詰まったページをめくるたびに、懐かしさがこみ上げてきた。
卒業アルバムを眺めていると、ふと気になることがあった。最後のページが妙に重い感覚がしたのだ。何気なくそのページを開くと、そこに何も書かれていない「白紙のページ」が一枚、突然現れた。
「こんなページ、あったっけ…?」記憶の中では、最後のページには寄せ書きやメッセージが書かれていたはずだが、そのページがなくなっている。そして、代わりに真っ白なページがそこにある。
不思議に思い、何度もアルバムを確認したが、やはりその白紙のページがある。自分が見逃していただけなのかと思い、特に気にすることもなくそのまま閉じた。
その夜、眠りにつく前に、もう一度卒業アルバムを確認したくなり、再び手に取った。先ほどの白紙のページが気になって、そこをもう一度確認してみたが、今度はそのページに何かが書かれていた。
そこには、淡い筆跡で「また会いましょう」という一言が記されていた。
「え…?こんなメッセージ、書いてあったか?」
寄せ書きのページに、そんな文字があった覚えは全くない。しかも、その筆跡は誰のものとも判別がつかないような、どこか古びた感じのする文字だった。驚いてアルバムを閉じ、しばらく心を落ち着けようとしたが、どうしてもそのメッセージが気になって仕方なかった。
翌日、私は友人に連絡を取り、彼らの卒業アルバムを確認してもらった。彼らのアルバムには、そんな白紙のページも不気味なメッセージもないという。どうやら、私のアルバムにだけその奇妙なページが現れているようだった。
その夜、さらに不気味なことが起きた。再びアルバムを開いてみると、今度はそのメッセージが変わっていた。「また会いましょう」と書かれていた場所には、別の言葉が現れていたのだ。
「ここにいるよ」
その瞬間、背中に冷たいものが走った。書かれている文字は淡く、今にも消えそうなかすれた筆跡だったが、確かに「ここにいるよ」と記されていた。私は思わずアルバムを閉じたが、何かに呼ばれているような感覚を拭い去ることができなかった。
それから数日間、私はそのアルバムを開くたびに、メッセージが変わっていることに気づいた。ある時は「探しているよ」、またある時は「すぐそこに」と、どこかから私に向けて語りかけるような内容に変わっていた。
何度もアルバムを確認するたびに、その白紙だったページは次第に重みを増し、ページをめくるたびにかすかな「音」が聞こえるようになった。まるで誰かがページの中から囁いているかのように、低く淡い音が耳に響く。
「これは…何かがおかしい。」私は次第に恐怖を感じ、アルバムを手放すことにした。引っ越し先には持っていかず、そのまま実家に置いておくことにしたのだ。
しかし、それからしばらく経ったある日、実家の母親から電話がかかってきた。
「あなたの部屋にあった卒業アルバム、誰かが見たみたいなのよ。ページが開きっぱなしだったから。」
誰かがアルバムを開いた?私は驚き、母に詳しく聞くと、彼女が掃除をしていた時、私のアルバムが机の上に開かれていたと言う。しかし、私は実家に戻っていないし、家族も触っていないはずだった。
再び実家に戻った時、恐る恐るそのアルバムを開いてみた。すると、例の白紙のページにまた新たなメッセージが浮かび上がっていた。
「次は、いつ会える?」
その時、私は気づいた。このアルバムは私に何かを伝えようとしている。それは、私が思い出すべき「何か」かもしれない。しかし、私はもう二度とこのページを開く勇気がない。
あの卒業アルバムは、実家の奥深くにしまい込んだまま。メッセージが何を意味しているのか、答えを知ることができるのは、私がそのページを再び開く時だけなのかもしれない。
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