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霊感を持つ男アキラが語る、恐ろしいゲーム…クリアしなければ不幸が訪れる呪いのゲームの正体 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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いつも通り、私とリョウは喫茶店でアキラの話を聞くために集まっていた。アキラはコーヒーをゆっくり飲みながら、少し険しい表情で話し始めた。

「今回の話は、今までの依頼とは少し違う内容だった。俺が関わるのは、霊的なものや人の心に影響を与えるものが多いんだが、今回の依頼は最初はただの『ゲーム依存』だと思ってたんだ。」

アキラの口から「ゲーム」という言葉が出てきた瞬間、私とリョウは意外そうな顔をした。

「依頼を受けたのは、ある母親からだった。彼女の息子がゲームに依存していて、どうしてもやめさせられないって言うんだ。その子はまだ小学生で、年齢的にはゲームにハマること自体は珍しくないんだが、母親が言うには『息子はゲームがしたいわけじゃなく、ゲームに脅されてやらされている』と言うんだ。」

リョウが少し顔をしかめた。「脅されて?どういうことだ?」

「俺も最初はその話を聞いた時、正直戸惑った。ゲーム依存なら専門家に相談した方がいいと思って、母親にもそう伝えようとした。でも、母親の様子が尋常じゃなかったんだ。まるで何かに怯えているかのように、『このままだと息子が何か恐ろしいことになる』と必死に訴えてきたんだ。」

アキラは少し間を置いて、再び口を開いた。

「俺はその時点で、ただのゲーム依存じゃないことに気づいた。だから、一度その子供の様子を見に行くことにしたんだ。家に行くと、息子はずっとゲームに夢中になっていた。でも、明らかに何かがおかしかった。ゲームを楽しんでいるようには見えず、顔は青白く、目の下にはクマができていた。まるで、無理やり何かをさせられているような、そんな表情だったんだ。」

アキラの話を聞きながら、私とリョウはその子供の状況を想像して鳥肌が立った。

「その子がやっていたゲームは、夜の学校を探索する内容のものだった。廊下や教室を歩き回りながら、鍵を探して次のステージに進んでいく、ホラー系の探索ゲームみたいだった。ただ、俺が気になったのはそのゲームのメッセージだ。」

アキラは深く息をついて続けた。

「ゲーム中に『クリアしないと不幸が訪れる』っていうメッセージが、頻繁に出てくるんだ。しかも、ステージをクリアできずに失敗すると、『リトライしないとプレイヤーに不幸が訪れる』って脅迫めいた言葉が画面に出る。普通なら、そんなメッセージは無視すればいい。でも、このゲームには無視できない理由があった。」

リョウが身を乗り出して聞いた。「理由って、何なんだ?」

「そのゲームのメッセージが表示される度に、部屋の中の空気が重くなって、まるで何かが部屋に漂っているような気配を感じたんだ。それに、子供自身も『このゲームをクリアしないと本当に不幸が起こる』と信じてしまっている。彼はただのゲームキャラクターじゃなく、自分自身がその呪いにかかっていると思い込んでいたんだ。」

アキラの言葉に、私たちは恐怖を感じずにはいられなかった。

「俺はそのゲームソフトのパッケージを見たが、見たこともないメーカーのものだった。ラベルも古びていて、何か薄気味悪い雰囲気が漂っていた。でも、明らかにただのゲームじゃなかった。まるでゲームそのものが呪いの道具になっているような感じだったんだ。」

アキラは少し顔をしかめた。

「その時、俺は決心した。まず、子供からそのゲームを取り上げなきゃならない。でも、それが簡単にはいかなかった。ゲームを取り上げようとすると、子供は泣き叫んで『やめると本当に不幸が起こる』と必死に抵抗したんだ。彼がそう信じ込むほど、そのゲームには何かしらの力があったんだろう。」

「結局、俺は母親に頼んで、しばらくその子を部屋から離れさせることにした。そして、俺は一人でそのゲームを起動させてみた。」

リョウが驚いて口を開いた。「お前がそのゲームをやったのか?」

「ああ、やったよ。最初はただのホラーゲームに見えた。夜の学校を歩き回って、アイテムを集めたり、ドアを開けたりする普通のゲームだ。ただ、ゲームが進むごとに、画面の中の学校がどんどん不気味に変わっていくんだ。影が揺れたり、背後に人の気配を感じたり…。そして、突然ゲーム画面に『ここから出られなくなる』というメッセージが表示された。」

アキラはその時の緊張感を思い出すかのように、少し顔を歪めた。

「その瞬間、部屋の空気が一気に変わったんだ。まるで霊的な存在がその場に現れたかのように、周囲の温度が下がって、何かが俺を見つめている感じがした。画面から目を離すことができなかった。そして、リトライ画面が出た時、俺はそのゲームがただのゲームじゃないことを確信したんだ。」

「リトライしないと、プレイヤーに不幸が訪れる」というメッセージが再び表示された時、俺はすぐに電源を切った。だが、その瞬間、背後から誰かの囁き声が聞こえたんだ。『お前も同じだ』って。」

リョウが震える声で聞いた。「それで、どうしたんだ?」

「俺はすぐにそのソフトを取り出して、ゲーム機ごと持って、お寺に持って行った。住職に頼んで、お祓いをしてもらったんだ。それ以来、子供はそのゲームのことを忘れて、平穏に過ごしている。だが、あのゲームがどこから来たのか、何がそのソフトに宿っていたのかは、今でもわからない。」



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