怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

骸骨人形と不気味な秘密 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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僕たち4人組、小学生のタカシ、ユウジ、マサト、そして僕、ケンジは、いつも一緒に遊んでいた。夏休みが始まってすぐのある日、僕たちは学校の裏にある小さな商店街で時間を潰していた。いつもは賑やかなはずの商店街も、昼間の暑さのせいか、人通りがほとんどなく、僕たちは暇を持て余していた。

「何か面白いもんないかな?」
ユウジが言いながら、ふとガチャガチャが並んでいる自販機コーナーに目を向けた。

「これ、古っ!」
マサトがガチャガチャを指さした。そこには、見たこともないような、かなり古びたガチャガチャが一つだけあった。色も剥げていて、何が出てくるのかも分からない。でも、僕たちはこういうものには興味津々だ。

「やってみようぜ。」
僕たちはみんなで小銭を出し合い、タカシがガチャガチャを回した。カラカラと音を立てて出てきたカプセルを開けると、中には小さな骸骨の人形が入っていた。

「なんだこれ、気味悪い…」
僕はその骸骨を見た瞬間、背筋が少し寒くなった。

「でも、ちょっと面白いじゃん。」
タカシはそう言って、その骸骨人形をポケットにしまい、笑いながら「これ、お守りにしようかな」と冗談めかして言った。僕たちは大笑いしながらその場を後にした。

それから数日後、僕たちがまた集まって遊んでいると、タカシの様子が少しおかしいことに気づいた。僕たちが遊んでいる最中、突然誰もいない方向を見つめて、ぼそぼそと何かを呟き始めるのだ。

「おい、タカシ、何してんだよ?」
ユウジがタカシに声をかけた。

すると、タカシは一瞬こちらを見て「何のこと?俺、普通だろ?」と不思議そうな顔をする。さっきまで何かに話しかけていたはずなのに、その自覚が全くない様子だった。僕たちは「変なやつだな」と軽く流してしまったが、それが何度も続くようになった。

タカシは時折、学校の帰り道でも、誰もいない場所に向かってぼそぼそと話しかけるようになった。僕たちはだんだんと不安になり始めた。

「これ、絶対あの骸骨人形のせいだよな…」
マサトが低い声で言った。

僕たちはその人形を持っているタカシが、何かに取り憑かれているんじゃないかと疑い始めた。だが、タカシ自身は全くその異常さに気づいていない。自分が意味不明なことを呟いていることも、誰かに話しかけていることも、一切覚えていなかった。

そして、その夜、ついに決定的な出来事が起こった。

タカシの家で4人で集まって遊んでいる時、タカシがまたぼそぼそと呟き始めた。今度は、まるで誰かがそばにいるかのように、手を差し出して何かを取ろうとしている仕草まで見せていた。僕たちは一気に恐怖を感じた。

「これ、もう限界だ!」
ユウジが声を上げた。

「タカシ、その骸骨人形、捨てろよ!」
僕たちは全員一致で、その骸骨人形をどうにかするべきだという結論に達した。しかし、タカシは「何言ってんだよ、これ俺のお守りだろ」と言って手放すのを拒んだ。

そこで僕たちは、強引にタカシのポケットから骸骨人形を取り出し、何かに取り憑かれているこの状況を断ち切るため、あの人形を破壊する決意を固めた。

近くの公園の砂場に向かい、僕たちは石を集めてきて、その骸骨人形を地面に置いた。そして、全員で石を手に取り、次々とその骸骨に向かって振り下ろした。

「これで終わらせよう!」
僕たちは全力で石を叩きつけた。骸骨人形は徐々に崩れ、骨の形が壊れ始めた。だが、その時、信じられないことが起こった。人形がまるで命を持っているかのように、弱々しくもがき始めたのだ。

「ギィ…ギィ…」

まるで誰かが助けを求めるかのような小さな悲鳴が聞こえた。人形がわずかに動き、砂の中を這い出そうとする。

「おい、逃げようとしてるぞ!」
僕たちはパニックになりながら、再び石を振り下ろした。しかし、普通の石では十分ではなかった。人形は、まだかろうじて動いていた。

「これじゃ足りない、もっとでかい石がいる!」
ユウジが叫び、近くを探し回った。そして、すぐそばの砂場の端に、大きな石を見つけた。ユウジはその特大の石を持ち上げ、僕たちの元に戻ってきた。

「これで終わらせる!」

ユウジはその石を高く持ち上げ、もがき続ける骸骨人形に向かって、全力で振り下ろした。鈍い音と共に、人形は完全に潰され、粉々になった。

「ギィ…ギィ…」
最後の小さな悲鳴が響き、やがて人形は完全に動かなくなった。特大の石の下で、骸骨の破片は見えなくなり、ただの砂と混ざり合ってしまった。

僕たちはしばらくの間、息を整えながら、その場に立ち尽くしていた。骸骨人形はもう完全に壊れ、動くことはなかった。

それからというもの、タカシの奇妙な行動は一切見られなくなり、すべてが元通りになった。しかし、僕たちはもう二度とあの骸骨人形について口にすることはなかった。



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