俺が体験した話なんだが、数年前、友人たちと車でドライブに出かけたときのことだ。地図に載っていない場所を探検するのが好きな俺たちは、山間部にある古い集落の噂を聞きつけて、その場所を目指した。
ナビには載っていないけど、昔は集落があったという話だ。途中で車を停め、細い山道を歩いていると、急に空気が変わったように感じた。霧が濃くなり、昼間にもかかわらず、辺りは薄暗くなった。
道なりに歩いていると、古びた木造の家が数軒立ち並んでいる集落にたどり着いた。時間が止まったかのように、全てが静まり返っていて、まるで誰も住んでいないように見える。だけど、なぜか生活の痕跡があるんだ。つい最近まで誰かがここに住んでいたかのように。
俺たちは好奇心に駆られ、奥に進むことにした。けれど、集落を歩いているうちに、友人の一人が急に「誰かが見ている」と言い出した。最初は冗談かと思って笑っていたが、確かに周りの雰囲気がどんどん不気味になっていく。
突然、後ろからかすかに足音が聞こえた。振り返っても、誰もいない。だが、その足音は俺たちの後を追うように近づいてくる。
もう一人の友人が「ここはまずい、帰ろう」と声を上げ、俺たちは慌てて来た道を引き返すことにした。しかし、戻るはずの道が見つからない。霧のせいで道を見失ったのか、それとも最初からそんな道は存在しなかったのか…。
焦りと恐怖に包まれながら何とか山を下り、ようやく車に戻れた俺たち。だけど、ふと後ろを見ると、霧の中にぼんやりと人影が見えた。誰もいないはずの集落で、あの人影は一体何だったのか、今でも思い出すと背筋が凍る。
その後、あの集落のことを調べてみたが、やはり地図にも記録にも載っていなかった。噂では、昔、その集落では大きな災害があって、全員が亡くなったとも言われている。俺たちが見たものは、消えたはずの住人たちだったのかもしれない…。
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