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恐怖!誰もいない集落で見つけた不気味な家族写真 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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数年前、友人の山田から「とある集落に行ってみないか?」と誘われた。山田は廃墟マニアで、古い集落や村を見に行くのが好きなやつだ。俺も興味があったから、軽い気持ちでついて行くことにした。

その集落は、地元でもあまり知られていない場所だった。地図にも載っていないし、正確な場所を知っている人も少ないらしい。ネットで噂を調べてみると、「ある日突然、集落の住民全員が消えた」という話が出てきた。理由はわからないが、それ以来その集落には誰も住んでいないと言う。

車で山道を進んでいくと、だんだん道幅が狭くなり、周りには雑木林しか見えなくなった。しばらく走ると、ぼんやりと見えてきた。古びた木造の家がいくつか立ち並んでいる。その集落は確かに存在していた。

しかし、到着した瞬間から何かが違和感を感じた。風が全く吹いていない。静かすぎるんだ。山の中にいるのに、鳥の鳴き声や虫の音さえも聞こえない。そして、何よりも奇妙だったのは、家々がまるで昨日まで誰かが住んでいたかのように整っていることだ。家具もそのままで、生活感が残っていた。

「なんだか気味悪いな…」と山田がつぶやいた。その時、俺も同じことを感じていた。あまりにも「普通」すぎるんだ。廃墟というより、ただの無人の住宅街に迷い込んだ感じだった。

集落を歩いて回ると、1軒だけ、他の家より少し大きめの家があった。何か引き寄せられるようにその家の中に入った。玄関を開けると、すぐに異様な臭いが鼻をついた。生臭いような、湿った土の臭いが混じった不快な匂いだった。

中は暗くて、電気がつくわけでもない。懐中電灯で照らしながら進んでいると、奥の部屋に行き当たった。そこには、壁に一面、家族写真が飾られていた。小さな子供と両親、祖父母らしき人物が並んで微笑んでいる写真がたくさんあった。

だが、どの写真にも共通していることがあった。全ての人物の目が、少し不自然なほど黒く、そして異様に大きく見える。光が反射していない、まるで空洞のような瞳だ。

その瞬間、背筋に冷たいものが走った。山田もその写真を見て青ざめている。俺たちは黙って、その家を出ることにした。しかし、家を出た瞬間、突然強烈な風が吹き始め、周囲の木々がざわめき始めた。まるで何かが俺たちを追い払おうとしているかのようだった。

慌てて車に戻り、エンジンをかけたが、車は動かなかった。どうしても動かない。パニックになった俺たちは、車の外に出て携帯で助けを呼ぼうとしたが、電波が全く入らない。おかしい…来た時はちゃんと電波があったのに。

その時、集落の奥の方から、かすかに子供の笑い声が聞こえた。山田と目が合った瞬間、もう一度車に飛び乗り、エンジンをかけた。今度は奇跡的に車が動き、俺たちは全速力でその場を離れた。

その後、あの集落のことを調べ直したが、詳細な記録は一切出てこなかった。住民が消えた理由も、写真の家族が誰なのかもわからないままだ。だが、あの異様な家族写真と、消えたはずの集落で感じた何かが今でも脳裏に焼き付いて離れない。



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