目次
不思議なアンティーク人形
主人公のミサキは、アンティークが好きで、休日にはよく街の骨董店を訪れていた。ある日、店で一体のアンティーク人形に目を奪われた。それは、シルクのドレスをまとい、細かな装飾が施された繊細な顔立ちの人形だった。特に、首元には小さな鈴がついており、かすかな光を放っている。
「なんて綺麗な人形……」
ミサキはその人形に引き寄せられるように手に取り、購入を決意した。家に帰ると、人形をリビングの棚に飾り、心が満たされるのを感じた。
深夜の鈴の音
その夜、ミサキはベッドで眠りについていた。だが、ふと夜中に目が覚めた時、リビングからかすかな鈴の音が聞こえてくるのに気づいた。チリン、チリン……と小さく響く音が静まり返った家の中に広がっている。
「……風で動いただけよね」
自分にそう言い聞かせたが、不安がよぎった。風がないはずの夜中に、なぜ鈴の音が?
その日はそのまま布団をかぶり、鈴の音を無視するようにして再び眠りについた。
繰り返される鈴の音
次の夜も、そしてその次の夜も、ミサキは鈴の音で目を覚ました。音は毎晩少しずつ大きく、はっきりと聞こえるようになっていく。リビングを確認しても人形は棚に置かれたままで、特に動いた様子はない。
「この音のせいで眠れなくなるなんて、たまったもんじゃないわ」
少しイライラしながらも、ミサキは気味悪さを覚えつつ、何度も確認してはその鈴の音が自然に消えるのを待った。
しかし、ある夜、鈴の音が響き渡る中、今度はかすかな足音がリビングから聞こえてきた。チリン……チリン……、と音に合わせるかのように、何かがゆっくりと歩くような音がする。
「まさか……」
心臓が高鳴り、ミサキは恐る恐るリビングに向かった。
恐怖の正体
リビングのドアを少しだけ開けて中を覗き込むと――人形が棚の上から少しずれた場所に座っていた。部屋の真ん中に向かっているように、首が少し傾いている。ミサキは驚き、慌ててリビングの明かりをつけて人形を棚の奥に戻したが、鈴が静かに音を立てた。
次の日、ミサキはついにその人形を他の場所に移すことに決め、物置にしまい込むことにした。もうこれで鈴の音が聞こえることはないだろうと安堵し、その夜はやっと深い眠りに落ちた。
鈴の音は消えない
だが、その夜――。物置にしまったはずの鈴の音が再び響き始めた。チリン、チリン……と、音はますます大きく、物置の扉を超えてリビングに届いている。
恐怖に駆られたミサキは次の日、人形を骨董店に返しに行った。しかし、その夜も、彼女の耳にはかすかな鈴の音が鳴り続けていた。
そしてその音は、彼女がどこに行っても、深夜になると決まって聞こえるようになったのだった。
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