地方の小さな小学校に赴任して数か月、私は忘れられない恐怖体験をしました。その出来事は、ちょうど冬の終わりの夕方に起こりました。
目次
理科準備室の奇妙な物音
その日は残業で遅くなり、夕方6時頃まで校舎にいました。外は既に真っ暗で、人気のない廊下は少し不気味です。帰り支度をして職員室を出たとき、ふと理科準備室の方から何か音が聞こえました。コトン、コトン、とガラス器具がぶつかるような音です。
理科準備室は普段鍵がかかっているため、生徒が入ることはできません。「まさか誰かが閉じ込められたのでは?」と心配になり、懐中電灯を持って確認しに行くことにしました。
誰もいない部屋に揺れる影
準備室の前に到着し、ドアノブを回しましたが、やはり鍵はかかっています。そこで窓越しに部屋の中を覗いてみると、薄暗い部屋の奥でガラス器具がひとりでに揺れているのが見えました。風で動いたのだろうと思いたかったのですが、窓は全て閉まっています。
そのとき、不意に部屋の隅の暗がりに目を向けると、小さな白い影が動いたように見えました。「誰かいるのか?」と声をかけましたが、返事はありません。恐る恐る廊下の電灯を点けた瞬間、影はふっと消えてしまいました。
数年前の不審な出来事
翌日、このことを理科のベテラン先生に話しました。すると、先生は少し困ったような顔でこう言いました。
「実はね、この準備室では昔ちょっとした事故があったんだよ。生徒が一人、放課後に実験器具を取りに来た際に怪我をしてしまってね…。それ以来、変な噂が絶えなくて、困っているんだよ。怪我した子が変な噂を広めたのかな」
その話を聞いてから、私はなるべく夕方以降にその廊下を通らないようにしています。ただ、奇妙なことがひとつだけあります。あの日以来、毎朝準備室の机の上にチョークで書かれた小さな丸い跡が残されているのです。拭き取っても、翌日にはまた現れる。それが何を意味するのか、私には知るすべもありません。
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