こんにちは、これは私が若い頃、ある地方の小学校に赴任した時に実際に経験した出来事です。今でも忘れられない、不気味な体験です。
目次
朽ちた旧校舎
その小学校には使われなくなった旧校舎がありました。木造の2階建てで、窓ガラスは割れ、壁はところどころ剥がれています。数十年前に建てられたまま廃墟同然で、普段は立ち入り禁止。しかし、子どもたちの間では「七不思議」の話が語り継がれていました。
「旧校舎の時計は真夜中に動き出す」
「2階の窓から、白い服の人が覗いている」
「夜になると廊下を誰かが歩く音がする」
そんな話を耳にするたび、私は「ただの噂だろう」と笑い飛ばしていました。しかし、その考えが甘かったと気づくのは、赴任して3か月目のことでした。
夜の廊下に響く足音
ある日の夕方、教室の片付けをしていると雨が降り出しました。帰る準備をしていると、どこからかカタ、カタという音が聞こえてきたんです。音のする方に耳を澄ますと、それは旧校舎の方からのようでした。
誰かが立ち入り禁止区域に入り込んだのではないかと思い、懐中電灯を持って様子を見に行きました。旧校舎の扉は錆びていて重かったのですが、少し力を入れるとギギィ…と開きました。中に入ると、雨の音に混じって再びカタ、カタと足音のような音が聞こえます。
廊下の奥を照らすと、そこには誰もいません。ただ、廊下の先の教室の扉が微かに揺れているのが見えました。恐る恐る近づいて扉を開けた瞬間、冷たい風が吹き抜け、教室の中にあった古びた机と椅子が一斉に動いたのです。
古いアルバムの写真
慌ててその場を飛び出し、職員室に戻ると先輩の先生がいました。私はすぐに先ほどの出来事を話しましたが、「ああ、それは旧校舎ならよくあることだよ」とあっさり言われました。そして、こう付け加えました。
「実はあの旧校舎、昔の火事で亡くなった子どもたちが出るって噂があってね…。ほら、このアルバムを見てごらん。」
そう言って見せられたのは、旧校舎が使われていた頃の古い卒業アルバムでした。ページをめくると、最後のページに全員で撮影した集合写真が載っていました。しかし、驚いたことに、その写真の端にはこちらをじっと見つめる白い服を着た子どもが写り込んでいたのです。明らかに他の子どもたちとは違う異質な存在…。
今でも残る記憶
その後、私は一度も旧校舎に足を踏み入れることはありませんでした。あの写真の白い服の子どもが誰なのか、そしてなぜ旧校舎では不思議な現象が起きるのか、答えを知ることはできません。しかし、時折夢に出てくる旧校舎の廊下やあの教室の冷たい風を思い出すたび、今でも背筋が凍る思いがします。
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