怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

アンティーク家具の中の影 怖い話 奇妙な話 不思議な話 短編集

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それは、私が新居に引っ越した直後の話です。引っ越し祝いとして友人からアンティークのチェスト(タンス)をもらいました。深い茶色の木目と重厚な彫刻が施されたその家具は、部屋に置くだけでどこか高級感を醸し出していました。

最初の違和感

チェストを設置して数日経った頃から、妙なことに気づき始めました。部屋に入ると、ふと木の香りが漂うのです。最初は「古い家具だからだろう」と気にしませんでしたが、日ごとに香りが強くなっていきました。さらに、不思議なことに、その香りが漂うたびに耳鳴りのような低い音が聞こえるのです。

深夜、ベッドで横になっていると、タンスの隙間からカタカタと何かが揺れるような音がしました。中には何も入れていないはずなのに、確かに音がするのです。不安になりながらもタンスを調べると、引き出しにはやはり何もありませんでした。ただ、底板を触るとほんのり温かい気がしたのを覚えています。

見えてしまった「何か」

ある夜、疲れて寝ていると、突然目が覚めました。部屋は真っ暗ですが、チェストの位置だけがぼんやりと光の筋のようなもので浮かび上がっています。目を凝らして見ていると、光の筋が動き、タンスの表面に人影のような形を作り出していきました。

一瞬の出来事でしたが、その影は確かにこちらを見ていたのです。そして、影が消えた後、チェストの引き出しが一つ、ゆっくりと音を立てて開きました。

取り返しのつかない行動

翌日、怖さのあまり友人に「チェストを返したい」と相談しましたが、「うちも新しいのを買ってしまって、置く場所がないよ」と断られました。仕方なく家具を処分することに決めたのですが、処分の日が近づくにつれ、状況はますます悪化していきました。

夜中にチェストの引き出しが勝手に開閉するだけでなく、そこから聞こえる低い声のような音が私の耳に届くようになったのです。それはまるで何かを呟いているかのようでしたが、言葉は聞き取れません。

耐えきれなくなった私は、ある夜、そのチェストを近くの廃棄所に持ち出しました。重たいタンスを運び終えた後、ふと背後を振り返ると、真っ暗な廃棄所の中で引き出しがひとりでに開く音がしたのです。その瞬間、全身に鳥肌が立ち、私は慌ててその場を離れました。

チェストが戻ってきた

翌朝、安心して目覚めると、部屋の片隅にそのチェストが何事もなかったかのように置かれていたのです。廃棄所に捨てたはずの家具がなぜ戻ってきたのか、その理由はわかりません。ただ、チェストの表面に目立つように新しい傷跡があり、それが何かの文字のようにも見えました。

今、そのチェストは部屋の隅に置いたまま、一切触れずにいます。動かすたびに何かが起きそうで…。ただ、その引き出しの中には何も入れられないままなのです。



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