目次
【プロローグ】
それは、大学生の夏休みに体験した、友人とのささやかな肝試しから始まった。
深夜1時。田舎町にある廃屋に、4人の仲間と共に向かった。そこはかつて「覗く者の家」と呼ばれ、誰も近づかない場所だった。
【廃屋】
木製の扉は半分朽ちており、触れるとギシギシと音を立てた。薄暗い懐中電灯の明かりの中、僕たちは廊下を進んだ。埃にまみれた家は静まり返り、不気味な雰囲気が漂っている。
リーダー格の友人、健二が笑いながら言った。
「なんだよ、全然大したことないじゃん!」
そう言いながら、健二は2階へ続く階段を上り始めた。その瞬間、突然、後ろで何かが「カラカラ」と転がる音がした。
「おい、誰かふざけてんのか?」
後ろを振り返るが、誰もいない。僕たちは互いの顔を見合わせ、緊張感が走る。
【異変】
2階に到着すると、一室だけ扉が閉ざされていた。その扉には赤い文字で「覗くな」と書かれている。健二は悪戯心を抑えられず、笑いながら言った。
「なんだよ、覗くなって書いてあると逆に覗きたくなるだろ!」
「やめろよ!」と制止する間もなく、彼は扉の隙間から部屋を覗き込んだ。その瞬間、健二は怯えたように目を見開き、後ろに倒れ込んだ。
「何が見えたんだよ!?」
問いかけても、健二は震えながら「い…いる…」と繰り返すばかりだった。
【その夜】
廃屋から急いで戻った僕たちは、健二の様子がおかしいことに気づいた。彼は何度も振り返り、部屋の隅を見つめている。
「誰か、見てる…」
翌朝、健二は失踪した。部屋には「覗くな」と赤い文字で書かれたメモが残されていた。
【結末】
それから数日後、仲間の一人がネットで見つけた記事によると、「覗く者の家」に入った者は、誰かに覗かれるような錯覚に陥り、最終的に行方不明になるという伝説があった。
そして僕も、部屋の片隅で何かが動いた気がしてならない。あれ以来、鏡を見るのが怖くなった。
あなたの後ろにも、誰かが覗いているかもしれない。
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